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リベルサスの副作用でうつになる?気分の落ち込みの原因と対処法を医師監修で解説

  • リベルサス

リベルサスを飲み始めてから気分が沈みがちになり、「もしかして副作用でうつになったのでは」と不安を感じていませんか?

SNSやインターネット上では「リベルサスを飲んだらうつっぽくなった」という投稿が散見され、服用を続けてよいのか迷っている方は少なくありません。

結論からお伝えすると、リベルサスの添付文書に「うつ」や「抑うつ」の記載はなく、薬の成分が直接的にうつ症状を引き起こすという医学的根拠は現時点で確認されていません。

一方で、食事量の急激な減少や栄養不足、血糖値の変動などが間接的に気分の落ち込みを引き起こすケースがあり、この仕組みを正しく理解しておくことが安全な服用につながります。

この記事では、リベルサスと精神症状の関係について最新のエビデンスを交えながら解説し、気分が落ち込んだときの具体的な対処法までわかりやすくまとめました。

リベルサスとは|仕組みと特徴をわかりやすく解説

リベルサスは有効成分にセマグルチドを含む経口タイプのGLP-1受容体作動薬であり、2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に承認されています。

従来のGLP-1受容体作動薬は注射製剤のみでしたが、リベルサスは世界で初めて飲み薬として実用化された画期的な医薬品です。

食欲抑制効果が注目され、メディカル減量の目的で適応外使用されるケースも増えていますが、あくまで医師の指導のもとで服用すべき医療用医薬品である点を理解しておきましょう。

リベルサス(セマグルチド)の作用の仕組み

リベルサスの有効成分であるセマグルチドは、食事のあとに小腸から分泌されるGLP-1というホルモンと同じ働きをする薬剤です。

GLP-1は膵臓に作用してインスリンの分泌を促し、血糖値が高いときにだけ効果を発揮する特徴を持っています。

さらに、脳の摂食中枢にも作用して食欲を自然に抑えるほか、胃から腸への食物の移動を遅くすることで少量の食事でも満腹感が長く続く効果が得られます。

これらの多面的な仕組みにより血糖コントロールと体重減少の両方が期待できます[1]。

作用の仕組みを知っておくと副作用への理解も深まるでしょう。

3mg・7mg・14mgの用量と正しい飲み方

リベルサスには3mg・7mg・14mgの3種類の用量があり、最初は3mgから開始して体の反応を確認しながら段階的に増やしていくのが基本です。

3mgで4週間以上服用したのち、効果と副作用のバランスを見て7mgへ増量し、維持用量として継続するのが標準的な流れとされています。

服用方法にも厳密なルールがあり、1日のうち最初の食事や飲水の前に空腹の状態でコップ約半分(120mL以下)の水とともに1錠を飲む必要があります[1]。

服用後少なくとも30分は飲食や他のお薬の服用を避け、毎朝のルーティンに組み込んで習慣化することが効果を最大限に引き出すポイントです。

糖尿病治療とメディカル減量での使用の違い

リベルサスは2型糖尿病の治療薬として承認された医薬品であり、減量目的での使用は保険適用外の自由診療となります。

糖尿病治療では血糖コントロールが主な目的であり、食事療法と運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に処方される位置づけです。

日本糖尿病学会はこうした適応外使用について注意喚起を行っている状況です[2]。

どちらの目的であっても、必ず医師の診察と定期的な経過観察のもとで服用を続けることが安全な使用の大前提といえるでしょう。

リベルサスの副作用でうつになるのか|医学的見解を整理

リベルサスを服用中に「気分が落ち込む」「やる気が出ない」と感じる方がいることは事実ですが、それが薬の直接的な副作用なのかどうかは慎重に考える必要があります。

インターネット上にはさまざまな情報が混在しているため、公的機関の見解や添付文書の記載内容を正確に把握しておくことが重要です。

ここでは、リベルサスと「うつ」の関係を医学的な観点から3つの視点で整理します。

添付文書に「うつ」「抑うつ」の記載はない

リベルサスの製造販売元であるノボ ノルディスク社が作成し、PMDA(医薬品医療機器総合機構)が公開している添付文書には、副作用として「うつ」「抑うつ」「気分障害」といった記載は一切存在しません。

添付文書に記載されている神経系の副作用は「頭痛」(1〜5%未満)と「浮動性めまい」(0.5〜1%未満)のみであり、消化器系の副作用(吐き気・下痢・便秘・腹痛など)が中心であり、精神症状が薬の薬理作用として生じる可能性は添付文書の情報からは極めて低いと判断できるでしょう[1]。

ただし、添付文書に記載がないことは「絶対に精神的な不調が起きない」という意味ではなく、間接的な要因で気分の変化が生じる可能性は残ります。

服用中に精神的な不調を感じた場合は自己判断せず、処方医に相談することが安全な服用を続けるうえで大切です。

EMA・FDAの調査で自殺念慮との因果関係は否定的

2023年夏にヨーロッパの規制当局(EMA)がGLP-1受容体作動薬と自殺念慮の関連について調査を開始し、米国FDA(食品医薬品局)も同様に調査中であることを公表しました。

この動きは、セマグルチドの使用者から自殺念慮が報告されたことがきっかけでしたが、その後の大規模な検証では因果関係を裏付けるデータは見つかっていません。

米ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究チームが全米50州・1億人以上の電子健康記録を解析した結果、セマグルチド使用者に自殺念慮リスクの増加は認められなかったと2024年にNature Medicine誌で報告されています[3]。

現時点でEMAおよびFDAのいずれも、GLP-1受容体作動薬に対して精神症状に関する新たな警告や使用制限を追加していない点も押さえておくとよいでしょう。

200万人規模の研究ではGLP-1受容体作動薬が精神疾患リスクを低減する可能性

さらに注目すべき研究として、2025年にNature Medicine誌に掲載された米ワシントン大学医学部による200万人以上の糖尿病患者を対象とした大規模解析があります。

この研究ではGLP-1受容体作動薬の使用が、自殺念慮・自傷行為のリスクを10%低下、統合失調症・精神疾患のリスクを18%低下、過食症のリスクを19%低下させる可能性が示されました[4]。

もちろん、これは大規模観察研究であり因果関係を断定するものではありませんが、「リベルサス=うつになる」という認識とは正反対の方向を示すデータとして意義のある報告です。

今後さらに研究が進むことで、GLP-1受容体作動薬の精神面への影響がより明確になっていくことが期待されます。

リベルサス服用中に気分が落ち込む4つの間接的要因

医学的にはリベルサスが直接うつ症状を引き起こす根拠は乏しいものの、服用中に気分の落ち込みやイライラを感じる方が一定数いるのは事実です。

これらの精神的な不調は、薬の薬理作用そのものではなく、服用に伴う生活の変化や体内環境の変動が原因となっている可能性が高いと考えられています。

「薬の副作用」と「減量プロセスに伴う二次的な影響」を正確に区別することが、適切な対処につながる重要なポイントです。

食事量の激減によるセロトニンの材料不足

リベルサスの食欲抑制効果によって食事量が大幅に減ると、気分を安定させる神経伝達物質であるセロトニンの材料が不足しやすくなります。

セロトニンの合成には必須アミノ酸のトリプトファンが必要であり、トリプトファンは体内で作ることができないため食事から摂取しなければなりません。

食事量が減ると肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などのたんぱく質源が不足し、トリプトファンの摂取量も同時に低下してしまいます。

加えて、セロトニンの合成にはビタミンB6や鉄、葉酸などの補酵素も必要であり、食事量の減少はこれらの栄養素の不足にもつながるでしょう。

脳内のセロトニン濃度が低下すると気分の落ち込みや不安感、イライラ、不眠といった症状が出やすくなるため、食事量が減ったときほど栄養バランスへの配慮が欠かせません。

急激な血糖値の変動が脳機能に与える影響

リベルサスの食欲抑制効果で食事量が急減すると、血糖値を安定的に維持することが難しくなり、低血糖状態や血糖値の乱高下が起こりやすくなります。

脳はブドウ糖をほぼ唯一のエネルギー源として利用しており、血糖値が急激に下がると集中力の低下、思考力の鈍化、不安感、気分の落ち込みといった症状があらわれることが知られています。

こうした血糖値の変動に伴う精神症状は、薬の直接的な副作用ではなく栄養摂取の偏りが引き起こしている生理学的な反応として理解すべきものです。

1日3食を極端に減らすのではなく、少量でも規則正しく食事を摂ることが血糖値の安定と精神面の安定の両方に役立ちます。

「食べる楽しみ」の喪失による心理的ストレス

食事は栄養補給だけでなく、日常生活における大きな楽しみやストレス解消の手段でもあります。

リベルサスの作用で「食べたくない」「食べても美味しく感じない」という状態が続くと、食事から得られていた快楽報酬が失われ、心理的な満足感が著しく低下することがあるでしょう。

この状態は精神医学的には「適応障害」に近い一時的な抑うつ状態であり、薬の直接的な副作用とは異なる点を理解しておくと過度な不安を軽減できるでしょう。

友人や家族との食事会など社会的なつながりを大切にすることが、心理的ストレスの軽減につながります。

吐き気やだるさの長期化がもたらす精神的疲弊

リベルサスの代表的な副作用である吐き気やだるさ、胃のむかつきが数週間にわたって続くと、身体的なつらさが蓄積して精神的にも消耗していきます。

「いつまでこの気持ち悪さが続くのだろう」「薬が自分に合っていないのでは」という不安が日々の生活に影を落とし、気分の落ち込みやイライラにつながるケースは珍しくありません。

とくに服用開始直後や増量直後は副作用が強く出やすい時期であり、この時期の精神的な不調は「体調不良からくる一時的な精神的疲弊」として捉えるのが適切です。

多くの方は2〜4週間ほどで消化器症状が落ち着くとされているため、つらい時期を乗り越えるための具体的な対処法を知っておくことが重要といえます。

気分の落ち込みを防ぐ・やわらげる5つの対処法

リベルサス服用中の気分の落ち込みは、多くの場合で間接的な要因が関わっているため、原因に合わせた対処を行うことで改善が期待できます。

「薬を飲んでいるからうつっぽくなっても仕方がない」と我慢するのではなく、栄養面・生活習慣・医療機関への相談といった具体的なアクションを起こすことが大切です。

とくに食事・運動・睡眠の3つは精神面の安定に直結する要素であり、リベルサスの効果を最大限に活かしながらメンタルを保つための鍵になります。

糖質・たんぱく質・ビタミンB群を最低限確保する

リベルサスの食欲抑制効果で食事量が減っても、脳と体のはたらきを維持するために最低限の栄養素は確保する必要があります。

糖質は脳の主要なエネルギー源であり、極端に制限すると集中力の低下や気分の不安定さを招きやすいため、1食あたり茶碗半分程度のご飯は摂ることが望ましいでしょう。

たんぱく質は神経伝達物質の材料となるアミノ酸を供給する重要な栄養素であり、肉・魚・卵・大豆製品のなかから1食あたり手のひらサイズを目安に取り入れると効率的です。

ビタミンB群(とくにB6・B12・葉酸)はセロトニンやドーパミンの合成に関わる補酵素として不可欠であり、レバー・バナナ・ほうれん草・枝豆などに多く含まれています。

食欲がないときは一度にたくさん食べる必要はなく、少量を複数回に分けて摂る「分食」のスタイルにすると胃腸への負担も軽減しやすくなります。

トリプトファンを含む食品を意識的に摂る

気分の安定に深く関わるセロトニンの材料であるトリプトファンは、体内で合成できない必須アミノ酸であり、食事から積極的に摂取することが重要です。

トリプトファンが豊富な食品としては、鶏むね肉・マグロ・カツオ・チーズ・ヨーグルト・バナナ・豆腐・納豆・アーモンドなどが挙げられます。

なかでもバナナはトリプトファンに加えてビタミンB6と糖質も同時に含んでおり、セロトニン合成に必要な3つの要素を1つの食品で効率よく摂取できる点が魅力でしょう。

リベルサスで食事量が減りがちな時期だからこそ、限られた食事のなかで「何を食べるか」を意識することが精神面の安定を支える鍵となります。

軽い運動や朝の日光浴でセロトニン分泌を促す

セロトニンの分泌を促すためには、食事からの栄養摂取に加えて「リズム運動」と「日光浴」が効果的とされています。

ウォーキング・軽いジョギング・ヨガ・ストレッチなど、一定のリズムで体を動かす運動はセロトニン神経を活性化させ、気分を安定させる効果が期待できるでしょう。

とくに朝の時間帯に15〜30分ほど太陽の光を浴びながら散歩をすることは、セロトニンの分泌と体内時計のリセットの両方に有効とされています。

激しい運動は食欲低下中の体には負担が大きいため、無理のない範囲で「毎日少し体を動かす」ことを習慣にすることが継続のコツといえます。

用量の調整や一時的な減量を医師に相談する

副作用による体調不良や精神的な不調が強い場合は、自己判断で中止するのではなく、処方医に相談して用量の調整を検討してもらうことが最善の選択です。

増量後に精神面の不調が顕著になった場合は、一段階前の用量に戻すことで症状が改善するケースがあります。

「つらいけど我慢して飲み続けなければ」と無理を重ねることは、かえって治療の継続を困難にする原因になります。

リベルサスは継続してこそ効果を発揮するお薬であるため、長く安全に続けるためにも遠慮なく医師に体調や気分の変化を報告することが大切です。

2週間以上続く場合は心療内科・精神科の受診を検討する

気分の落ち込みが2週間以上にわたって持続し、日常生活に支障が出ている場合は、リベルサスの処方医だけでなく心療内科や精神科への相談を検討しましょう。

具体的には、何をしても楽しいと感じられない、朝起き上がるのがつらい、涙が止まらない、眠れない日が続くといった症状が複数あてはまる場合は注意が必要です。

心療内科や精神科を受診する際には、リベルサスを服用中であることを必ず伝え、飲み始めた時期や用量の変更履歴も共有すると診断の精度が高まります。

精神的なつらさを「薬のせいだから仕方ない」と放置せず、専門家の力を借りることが回復への第一歩です。

リベルサスの代表的な副作用と持続期間

リベルサスの副作用は消化器症状が中心であり、多くの方は服用開始から2〜4週間ほどで症状が軽減する傾向にあります。

ただし、副作用の種類や程度には個人差があり、増量のタイミングで再び症状が強くなることもあるため、自分の体の変化に注意を払い続けることが求められます。

ここでは、リベルサスで報告されている代表的な副作用を3つのカテゴリーに分けて解説します。

吐き気・下痢・便秘などの消化器症状

リベルサスでもっとも多い副作用は、吐き気・下痢・便秘・腹痛・胃のむかつきといった消化器系の症状です。

研究データでは吐き気が18〜20%の患者にみられ、副作用のなかで最も高い頻度で報告されています[1]。

服用開始直後や増量直後にとくに強く出やすいですが、多くの方は1〜3週間ほどで体が慣れて症状が和らいでいきます。

食事を少量ずつに分ける、脂っこいものを控える、ゆっくりよく噛んで食べるといった工夫で症状を軽減しやすくなるため、医師と相談しながら自分に合った対策を見つけていきましょう。

低血糖・めまい・倦怠感

リベルサスは血糖値に依存してインスリン分泌を促すお薬であるため、単独服用では低血糖が起こるリスクは比較的低いとされています。

しかし、食事を抜いた状態で服用したり、過度な食事制限と組み合わせたりすると、血糖値が下がりすぎてめまい・冷や汗・手の震え・倦怠感といった低血糖症状があらわれることがあるでしょう。

とくに他の糖尿病治療薬(SU薬やインスリン製剤など)と併用している場合は低血糖のリスクが高まるため、併用薬の調整について医師と確認しておくことが大切です[1]。

急にふらつく、意識がもうろうとするといった症状があらわれた場合は速やかにブドウ糖や糖分を含む食品を摂取し、症状が治まらない場合は医療機関を受診してください。

まれに起こる重大な副作用|急性膵炎・胆嚢炎

リベルサスの重大な副作用としてまれに報告されているのが、急性膵炎と胆嚢炎(胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸を含む)です。

急性膵炎は持続的な激しい腹痛(とくにみぞおちから背中にかけて)や嘔吐を伴う重篤な疾患であり、発症が疑われる場合は直ちに服用を中止して緊急の医療機関を受診する必要があります[1]。

2024年2月の添付文書改訂では胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸が新たに重大な副作用として追加されており、右上腹部の痛み・発熱・黄疸などの症状に注意が必要です。

腹部に普段と異なる強い痛みを感じた場合は我慢せず、すぐに医師に連絡することを強くおすすめします。

うつ病の既往がある方やメンタルが不安定な方への注意点

リベルサスの添付文書に精神症状に関する禁忌は記載されていませんが、うつ病の既往がある方やメンタルが不安定な時期にある方は、服用にあたっていくつかの点に留意する必要があります。

食欲の変化や体重の増減は精神状態と密接に関わっているため、薬によって食行動が大きく変わることが心理面に影響を及ぼす可能性は否定できません。

ここでは、メンタルに不安を抱える方がリベルサスを服用するうえで押さえておきたい3つのポイントを解説します。

服用前に精神疾患の既往歴を必ず医師に伝える

リベルサスの処方を受ける際には、過去にうつ病・不安障害・パニック障害・適応障害などの精神疾患を経験したことがある方は、必ずその旨を医師に申告してください。

精神疾患の既往歴があると、食事量の急激な変化やホルモンバランスの変動に対する感受性が高い場合があり、一般の方よりも精神面への影響が出やすい可能性が考えられます。

現在メンタルクリニックや心療内科に通院中の方は、リベルサスの服用について主治医にも報告し、両方の医師が連携できる体制を整えておくことが理想的です。

情報の共有が不十分なまま複数の医療機関で治療を受けると、薬の相互作用や症状の見落としにつながるリスクがあるため注意が必要です。

自己判断での中止・増量を避けるべき理由

リベルサス服用中に気分の落ち込みを感じたとき、「薬が原因に違いない」と自己判断で急に服用を中止したり、逆に「早く痩せたい」と勝手に増量したりすることは避けなければなりません。

急な中止は血糖値の急変動を引き起こす可能性があり、とくに糖尿病の治療目的で服用している方にとっては血糖コントロールの悪化につながるリスクがあります。

精神的な不調を感じた場合は、まず処方医に「気分が落ち込んでいる」「イライラしやすい」といった具体的な症状を伝え、今後の対応を一緒に検討してもらうことが最善の方法です。

医師は用量調整・一時休薬・他の治療薬への切り替えなど複数の選択肢のなかから最も適切な対応を提案してくれるため、自分一人で抱え込まないことが大切です。

定期的な通院と体調の記録が安全な服用を支える

リベルサスを安全に長期間服用し続けるためには、定期的な通院で医師のチェックを受けるとともに、日々の体調を自分自身でも記録しておくことが効果的です。

記録しておくとよい項目としては、体重・食事内容と量・消化器症状の有無・気分の状態・睡眠時間・運動量の6つが挙げられます。

こうした記録を継続することで、気分の落ち込みがいつから始まったのか、増量と関連しているのか、特定の生活パターンと連動しているのかといった傾向を客観的に把握できるようになるでしょう。

スマートフォンのメモアプリや体調管理アプリを活用すると記録の負担を減らしやすく、無理なく習慣化することが可能です。

よくある質問

Q1. リベルサスでうつになった場合、服用をやめるべきですか?

自己判断での中止は避け、まずは処方医に症状を伝えてください。

用量の調整や一時休薬で改善するケースも多いため、医師と相談しながら継続の可否を判断することが大切です。

気分の落ち込みが2週間以上続く場合は、心療内科の受診も視野に入れましょう。

Q2. リベルサスの副作用による気分の落ち込みはいつまで続きますか?

食事量の減少や消化器症状に伴う精神的な不調は、体が薬に慣れる2〜4週間程度で軽減する方が多いとされています。

ただし、栄養不足が続いている場合は気分の不安定さが長引くことがあるため、最低限の糖質とたんぱく質を意識的に摂取することが重要です。

4週間を超えても改善しない場合は、医師に相談して対応を検討してもらいましょう。

Q3. 抗うつ薬とリベルサスは併用できますか?

現時点でリベルサスの添付文書には、抗うつ薬との併用禁忌は記載されていません。

ただし、リベルサスは胃の内容物の排出を遅らせる作用があり、併用するお薬の吸収に影響を与える可能性があるため、必ず処方医と精神科医の両方に服用状況を共有してください。

自己判断での併用は避け、医師の管理のもとで安全に治療を進めることが求められます。

Q4. リベルサスの副作用で眠気が出るのはなぜですか?

リベルサスの添付文書に「眠気」は代表的な副作用として記載されていませんが、食事量の減少に伴う低血糖やエネルギー不足が強い眠気を引き起こすことがあります。

血糖値が不安定になると脳への糖の供給が低下し、倦怠感や眠気につながりやすい状態になるでしょう。

規則正しい食事で血糖値を安定させることが眠気の予防に効果的です。

Q5. うつ病の治療中でもリベルサスを服用できますか?

うつ病の治療中であることが直ちにリベルサスの禁忌にはなりませんが、処方にあたっては慎重な判断が必要です。

食行動の変化が精神状態に影響を及ぼす可能性があるため、糖尿病の主治医と精神科の主治医の双方に情報を共有し、連携して治療方針を決めることが望ましいでしょう。

体調や気分の変化を日々記録し、定期的に両方の医師に報告する体制を整えておくと安心です。

リベルサスで鬱になる?気分の落ち込みの原因と対処法まとめ

リベルサスの添付文書に「うつ」「抑うつ」といった精神症状の記載はなく、薬の成分が直接的にうつを引き起こすという医学的根拠は現時点で確認されていません。

EMAやFDAの調査でもGLP-1受容体作動薬と自殺念慮の因果関係は否定的であり、むしろ精神疾患リスクを低減する可能性を示す大規模研究も報告されています[3][4]。

一方で、食事量の急激な減少によるセロトニンの材料不足・血糖値の変動・「食べる楽しみ」の喪失・消化器症状の長期化といった間接的な要因が気分の落ち込みにつながるケースは存在します。

対処法としては、最低限の糖質・たんぱく質・ビタミンB群の確保、トリプトファンを含む食品の摂取、軽い運動や朝の日光浴によるセロトニン分泌の促進が有効です。

用量の調整や一時休薬は自己判断で行わず、必ず処方医に相談して適切な対応を検討してもらうことが安全な服用の鍵となります。

2週間以上気分の落ち込みが続く場合は心療内科や精神科への受診を検討し、うつ病の既往がある方は服用前に医師へ申告しておくことが重要です。

体と心の両方の変化に目を配りながら医師と二人三脚で治療を進めていきましょう。

参考文献

[1] PMDA 医薬品医療機器総合機構「リベルサス錠 添付文書」
https://www.pmda.go.jp/drugs/2020/P20200629001/620023000_30200AMX00513_K101_1.pdf

[2] 日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」
https://www.jds.or.jp/

[3] Xu R, et al. Semaglutide and suicidal ideation. Nature Medicine. 2024.
https://www.nature.com/nm/

[4] Al-Aly Z, et al. Health outcomes associated with GLP-1 receptor agonists. Nature Medicine. 2025.
https://www.nature.com/nm/

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。
お薬の服用に関しては必ず医師にご相談ください。
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