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マンジャロは精神疾患があっても使える?うつ病・精神科の薬との併用・気分の落ち込みへの対処法を解説

  • マンジャロ

「マンジャロは精神疾患があっても使えるの?」「うつ病のお薬と併用しても大丈夫?」「マンジャロを使い始めてから気分が落ち込むようになった」と、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

結論からいうと、マンジャロ(一般名:チルゼパチド)の添付文書にうつ病や抑うつ状態は副作用として記載されておらず、大規模な臨床試験でもマンジャロが直接的にうつ病を引き起こすというエビデンスは確認されていません

ただし、血糖値の変動や食欲低下にともなう栄養不足、体調不良によるストレスなどが間接的に気分の落ち込みを招く可能性はあります。

精神疾患の既往がある方や精神科のお薬を服用中の方は、マンジャロの使用前に必ず医師に相談し、慎重に判断する必要があります。

この記事では、マンジャロと精神面への影響に関する最新の研究データ、精神科のお薬との併用の注意点、気分の落ち込みが起きた場合の対処法まで、一般の方にも分かりやすく解説します。

マンジャロは精神面にどのような影響がある?

マンジャロの使用中に「気分が落ち込んだ」「やる気が出ない」「イライラする」といった声がSNSなどで見られることがあります。

まずは、マンジャロと精神面への影響について、医学的なエビデンスに基づいて正しく理解しておきましょう。

添付文書にうつ病は副作用として記載されていない

マンジャロの添付文書(製薬会社が作成するお薬の公式な説明書)を確認すると、精神神経系の副作用として記載されているのは「味覚不全、異常感覚」のみです[1]。

うつ病や抑うつ状態は、副作用の項目に含まれていません

添付文書には臨床試験で因果関係が認められた副作用が記載されるため、うつ病が記載されていないということは、臨床試験においてマンジャロとうつ病の間に明確な因果関係が認められなかったことを意味します。

この点は、「マンジャロでうつ病になる」という情報を見て不安を感じている方にとって重要なポイントです。

大規模研究でも精神疾患リスクの増加は確認されていない

2025年5月に発表された大規模なメタ解析(複数の臨床試験の結果を統計的に統合した研究)では、マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬とうつ病の関連性について、科学的に明確な答えが示されました。

キングス・カレッジ・ロンドン、オックスフォード大学、慶應義塾大学などの研究機関が共同で10万人を超える患者さんのデータを解析した結果、GLP-1受容体作動薬による治療はプラセボ(偽薬)と比較してうつ症状・重篤な精神疾患有害事象・非重篤な精神疾患有害事象のいずれについてもリスク増加が認められませんでした。

つまり、10万人規模のデータを詳細に分析した結果、マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬がうつ病を引き起こすという科学的根拠は見つかっていないのです。

ただし間接的に気分の落ち込みを招く可能性はある

マンジャロが直接的にうつ病を引き起こすエビデンスはないものの、使用中に気分の落ち込みを感じる方がいるのは事実です。

これはお薬が脳に直接作用しているのではなく、マンジャロがもたらす体の変化が間接的に心理的なストレスや負担となってあらわれるケースと考えられています。

1つ目は、血糖値の変動による影響です。

マンジャロは血糖値を安定させる作用がありますが、食事量が極端に減ったり糖質の摂取が少なすぎたりすると、一時的に低血糖に近い状態になることがあります。

脳はブドウ糖を主要なエネルギー源としているため、その供給が不安定になると不安感やイライラ、だるさ、集中力の低下など、うつ病に似た症状があらわれる場合があります。

2つ目は、食欲低下にともなう栄養不足です。

マンジャロの効果で食欲が大きく低下すると、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの必要な栄養素まで不足してしまうことがあります。

とくにセロトニン(気分を安定させる神経伝達物質)の材料となるトリプトファンや、脳の機能を支えるビタミンB群、鉄分などが不足すると、気分の落ち込みや意欲の低下につながりやすくなります。

3つ目は、体調不良や減量停滞によるストレスです。

吐き気やだるさなどの消化器症状が長引くと、「普通の生活が送れない」という焦りや無力感から気分が沈みやすくなります。

また、体重減少が停滞する「停滞期」に入ると、落胆がストレスとなり、精神的に追い込まれてしまうケースもあります

精神疾患がある方はマンジャロを使えるか

うつ病や不安障害、双極性障害、統合失調症などの精神疾患を抱えている方にとって、「そもそもマンジャロを使ってよいのか」は最も重要な疑問でしょう。

ここでは、精神疾患がある方のマンジャロ使用について解説します。

使用は可能だが、必ず事前に医師への相談が必要

精神疾患の治療中であっても、マンジャロの使用が一律に禁止されているわけではありません。

添付文書上、精神疾患は「禁忌(使ってはいけない方)」の項目には含まれていません。

ただし、精神疾患の既往がある方や現在治療中の方は、マンジャロの使用前に必ず処方医にその旨を伝え、使用の可否について慎重に判断してもらう必要があります。

とくに以下のような方は、マンジャロの使用について医師と十分に相談してください。

現在うつ病や不安障害の治療中で精神科のお薬を服用している方、過去に精神科や心療内科で治療を受けたことがある方、自殺念慮や自傷行為の既往がある方、摂食障害(拒食症・過食症)の既往がある方は、いずれも慎重な判断が求められます

精神科の主治医と処方医の両方に情報を共有する

マンジャロの処方を受ける医療機関と、精神科のかかりつけ医が異なる場合は、両方の医師に情報を共有しておくことが非常に重要です。

精神科の主治医には「ダイエット(または糖尿病治療)でマンジャロを使いたい」と伝えて許可を得てください。

マンジャロの処方医にも、現在服用中の精神科のお薬の情報をお薬手帳などで正確に伝えてください。

どちらか一方の医師にしか情報が伝わっていないと、お薬同士の相互作用の確認が不十分になったり、体調の変化に対する判断が難しくなったりするリスクがあります。

摂食障害の既往がある方はとくに注意

過去に拒食症や過食症などの摂食障害を経験したことがある方は、マンジャロの食欲抑制効果が摂食障害の再燃を招くリスクがあるため、とくに慎重な判断が必要です。

マンジャロによって食欲が大幅に低下すると、「食べないこと」への過度なこだわりが再び生まれたり、体重減少に対する執着が強まったりする可能性があります。

「もっと痩せたい」「食べてしまった罪悪感が強い」「体重が増えることが極度に怖い」といった感覚が出てきた場合は、すぐに医師に相談してください。

摂食障害の再燃の兆候であれば、お薬の使用継続の可否を医師が慎重に判断する必要があります。

精神科のお薬との併用は大丈夫?

マンジャロと精神科のお薬を同時に使用することに不安を感じている方も多いでしょう。

ここでは、主な精神科のお薬との併用について解説します。

抗うつ薬(SSRI・SNRI・三環系など)との併用

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬とマンジャロの間に、添付文書上の「併用禁忌(一緒に使ってはいけない組み合わせ)」は設定されていません。

そのため、医師の判断のもとで併用がおこなわれるケースはあります

ただし、マンジャロには胃の排出を遅くする作用があるため、経口薬(飲み薬)の吸収タイミングに影響を与える可能性があります。

抗うつ薬の効き目に変化が出る可能性も否定できないため、併用中はいつもと違う症状がないか注意深く観察してください。

お薬の効果バランスについては、処方医と精神科の主治医の両方に相談してください。

抗精神病薬との併用

統合失調症や双極性障害の治療に用いられる抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、リスペリドンなど)は、副作用として食欲増進や体重増加を引き起こすものが多く知られています。

こうしたお薬による体重増加に悩んでいる方が、マンジャロの食欲抑制効果に期待するケースもあります。

実際に、抗精神病薬による体重増加の改善を目的としてGLP-1受容体作動薬が使用される研究報告もあります。

しかし、抗精神病薬との併用については、精神疾患の安定性を最優先に考える必要があります。

マンジャロの消化器症状(吐き気・嘔吐など)が抗精神病薬の服用を困難にしたり、体調不良が精神状態の悪化につながったりするリスクもあるため、必ず精神科の主治医と相談のうえで判断してください。

抗不安薬・睡眠薬との併用と共通の注意点

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬(デパス、ソラナックスなど)や睡眠薬との間に、添付文書上の併用禁忌は設定されていません。

ただし、マンジャロの使用中に倦怠感や眠気が出る場合があり、抗不安薬や睡眠薬の鎮静作用と合わさって日中の眠気やだるさが増す可能性は考えられます。

こうした変化を感じた場合は、医師に相談してお薬の飲み方やタイミングを調整してもらいましょう。

精神科のお薬とマンジャロを併用する場合、共通して気をつけるべきポイントとして、経口薬の吸収タイミングへの影響があります。

精神科のお薬の効果が「いつもより強く出る」「いつもより効きが悪い気がする」と感じた場合は、マンジャロの影響の可能性があるため、速やかに医師に報告してください。

マンジャロ使用中に気分の落ち込みを感じたときの対処法

マンジャロの使用中に気分が沈んだり、やる気が出なくなったりした場合、一人で抱え込まず適切に対処することが大切です。

ここでは、精神的な不調を感じたときの具体的な対処法を解説します。

まずは自己判断でお薬を中止しない

気分が落ち込んだからといって、自己判断でマンジャロの使用を中止するのは避けてください。

とくに2型糖尿病の治療目的で使用している方がお薬を突然やめると、血糖コントロールが急激に悪化するリスクがあります。

ダイエット目的で使用している方も、急な中止はリバウンド(体重の急激な戻り)を招く可能性があります。

気分の変化を感じたら、まずは処方医に連絡して相談することが最優先です。

処方医に症状を具体的に伝える

気分の落ち込みや精神的な変化を感じたら、次の受診を待たずにできるだけ早く処方医に連絡しましょう。

受診時には、いつから症状が始まったか、どのような気分の変化があるか、日常生活にどの程度影響しているか、食事量や体重の変化、マンジャロの使用を開始・増量したタイミングとの関係性といった情報を具体的に伝えると、医師の判断に役立ちます。

事前にメモにまとめておくと、落ち着いて話しやすくなります。

医師はこれらの情報をもとに、気分の変化がマンジャロによるものなのか、血糖値の変動によるものなのか、仕事や人間関係などのストレスによるものなのかを総合的に評価します。

食事内容を見直し栄養不足を改善する

気分の落ち込みが栄養不足に起因している場合は、食事内容の改善が効果的な対策となります。

食欲が落ちている場合でも、たんぱく質・ビタミンB群・鉄分を意識的に摂取するようにしましょう。

たんぱく質は、脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミン)の材料となるアミノ酸を含んでいます。肉・魚・卵・大豆製品を毎食少量でも取り入れることが大切です。

ビタミンB群(B1・B6・B12・葉酸)は、脳のエネルギー代謝や神経伝達物質の合成に不可欠な栄養素です。豚肉、レバー、卵、緑黄色野菜、納豆などに多く含まれています。

食事量が十分に確保できない場合は、プロテインやマルチビタミンなどの補助食品を活用するのも有効です。

生活習慣によるセルフケアを取り入れる

気分の安定には、日常生活の中でできるセルフケアも効果が期待できます。

適度な運動(ウォーキングや軽い筋トレなど)は、セロトニンやエンドルフィンの分泌を促進し、気分を改善する効果があるとされています。

十分な睡眠を確保することも重要です。睡眠不足は気分の落ち込みを悪化させる大きな要因となるため、毎日できるだけ同じ時間に就寝・起床する規則正しい生活リズムを心がけてください。

日光を浴びることもセロトニンの分泌を促進するため、朝起きたらカーテンを開けて日光を取り込む習慣をつけましょう。

気分の落ち込みが2週間以上続く場合や、日常生活に明らかな支障が出ている場合は、処方医だけでなく心療内科や精神科への受診も検討してください。

よくある質問

Q. マンジャロでうつ病になるって本当?

現時点の医学的エビデンスでは、マンジャロが直接的にうつ病を引き起こすという因果関係は確認されていません。

添付文書にうつ病は副作用として記載されておらず、10万人超のデータを対象とした大規模研究でも精神疾患リスクの増加は認められませんでした。

ただし、血糖値の変動、栄養不足、体調不良によるストレスなどが間接的に気分の落ち込みを招く可能性はあるため、精神面の変化を感じた場合は早めに医師に相談してください。

Q. 精神科のお薬を飲みながらマンジャロを使っても大丈夫?

添付文書上、精神科のお薬(抗うつ薬・抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬など)とマンジャロの間に「併用禁忌」は設定されていないため、医師の判断のもとで併用がおこなわれるケースはあります。

ただし、マンジャロの胃排出遅延作用により、経口薬の吸収タイミングに影響が出る可能性があるため、併用中は効果や副作用の変化に注意が必要です。

必ず精神科の主治医とマンジャロの処方医の両方に情報を共有し、両者の連携のもとで治療を進めてください。

Q. マンジャロを使い始めてから気分が沈む場合はどうすればいい?

自己判断でお薬を中止せず、まず処方医に連絡して症状を相談してください。

いつから・どのような気分の変化があるか・日常生活への影響の程度などを具体的に伝えると、医師が適切な判断をおこないやすくなります。

用量の調整、食事内容の見直し、必要に応じた心療内科への紹介など、状況に応じた対応策を医師と一緒に検討しましょう。

Q. 摂食障害の既往がありますがマンジャロを使えますか?

摂食障害(拒食症・過食症)の既往がある方は、マンジャロの食欲抑制効果が摂食障害の再燃を招くリスクがあるため、とくに慎重な判断が必要です。

使用の可否は、摂食障害の治療状況や現在の精神状態を踏まえて、精神科の主治医と十分に相談したうえで決めてください。

使用中に「食べないことへの執着」「体重増加への極度の恐怖」「食べた後の強い罪悪感」などの感覚が強まった場合は、すぐに医師に報告してください。

まとめ

マンジャロの添付文書にうつ病は副作用として記載されておらず、10万人超の大規模研究でもGLP-1受容体作動薬が精神疾患リスクを増加させるというエビデンスは確認されていません

ただし、血糖値の変動、栄養不足、体調不良によるストレスなどが間接的に気分の落ち込みを招く可能性はあるため、精神面の変化には注意が必要です。

精神疾患の既往がある方や精神科のお薬を服用中の方は、マンジャロの使用前に必ず処方医と精神科の主治医の両方に情報を共有し、使用の可否を慎重に判断してください。

精神科のお薬との「併用禁忌」は添付文書上設定されていませんが、胃排出遅延作用による経口薬の吸収への影響や、体調変化が精神状態に及ぼす影響には注意が必要です。

気分の落ち込みを感じた場合は、自己判断でお薬を中止せず、処方医に早めに相談してください。

食事の見直し(たんぱく質・ビタミンB群・鉄分の摂取)、適度な運動、十分な睡眠、規則正しい生活リズムなどのセルフケアも気分の安定に効果が期待できます。

2週間以上気分の落ち込みが続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、心療内科や精神科への受診も検討しましょう。

参考文献

[1] 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ皮下注アテオス 電子化された添付文書」(2025年12月改訂) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/2499422G3027?user=1

[2] 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ(チルゼパチド)の投与により抑うつ状態になるか?」 https://medical.lilly.com/jp/answers/168596

[3] PMDA「マンジャロ皮下注アテオス 患者向医薬品ガイド」 https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/530471_2499422G1024_1_00G.pdf

[4] PMDA「マンジャロ皮下注アテオス 審査報告書」(令和4年8月29日) https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20221014001/530471000_30400AMX00420_A100_1.pdf

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。