「熱や喉の痛みに加えて、おなかまでくだしてしまった……これもコロナの症状なの?」と不安になっていませんか。
コロナは喉の痛みや発熱のイメージが強い病気ですが、下痢や腹痛、吐き気といったおなかの症状があらわれることもあります。
多くの場合、下痢は数日のうちに落ち着いていきますが、水のような便が何度も続くと、体の水分が失われて脱水になりやすくなります。
一方で、下痢が中心の場合は、ノロウイルスなどの胃腸炎との見分けがつきにくいこともあります。
この記事では、コロナで下痢が起こるのか、続く期間の目安、胃腸炎との見分け方、脱水を防ぐ対処法、家族にうつさないための注意点、すぐに受診したほうがよいサインまでをわかりやすく整理しました。
「このおなかの不調とどう向き合えばいいのか」を判断する手がかりとして、ぜひ参考にしてください。
コロナで下痢が起こることはある
コロナにかかると、喉の痛みや発熱だけでなく、下痢や腹痛といったおなかの症状があらわれることがあります。
厚生労働省の診療の手引きでも、コロナの症状として、下痢が頭痛やだるさなどとともにあげられているためです[1]。
熱で寝込んでいるあいだに、水のような便が1日に何度か出る、おなかがゴロゴロして落ち着かないといった形で気づく方もいるでしょう。
下痢があると、トイレに何度も通う必要があり、熱や喉の痛みと重なって体力を消耗しやすくなります。
「コロナなのにおなかまで壊すの?」と驚き、別の病気ではないかと不安になりますよね。
コロナでおなかの症状が出ることがあると知っておけば、慌てずに水分補給などの対処を始めやすくなります。
下痢は喉の痛みや発熱と一緒にあらわれることが多い
コロナの下痢は、喉の痛みや発熱、だるさといったほかの症状と一緒にあらわれることが多いです。
今のコロナは喉の痛みが最初の症状になることが多く、そのあとに発熱やだるさ、鼻水、咳などが続くとされており[1]、下痢はそうした全身の症状に加わる形で出てくることが多いためです。
前の日に喉が痛くなり、翌日に熱が出て、その夜からおなかがゆるくなったという流れをたどる方もいます。
沖縄県がオミクロン株の流行初期に診断された50人を調べた調査では、吐き気や嘔吐がみられた人は8%と報告されており[2]、おなかの症状は喉の痛みや咳に比べると少ないとみられます。
下痢だけが目立つ場合でも、喉の違和感やだるさ、周りでコロナにかかった人がいないかを振り返ってみると、手がかりになることがあります。
熱や喉の痛みにおなかの不調まで重なると、体のどこから気をつければいいのか迷ってしまいますよね。
下痢が出てきたら、まずは水分をこまめにとることを意識し、ほかの症状の変化もあわせて見守っておきましょう。
子どもは吐き気や嘔吐・腹痛が出やすくなっている
子どもがコロナにかかった場合は、大人よりも吐き気や嘔吐、腹痛といったおなかの症状が目立つことがあります。
診療の手引きでは、オミクロン株の流行後、子どもの初診時の症状として、嘔吐が16.4%(流行前は4.6%)、腹痛が9.0%(流行前は0.7%)と、流行前より大きく増えたとされているためです[1]。
同じ手引きでは、吐き気(悪心)も5.1%と、流行前の2.6%より増えていたとされています[1]。
熱が出たあとに何度か吐いてしまった、「おなかが痛い」と言って食事をとりたがらないといった様子で、コロナに気づく保護者の方もいるでしょう。
子どもは体が小さいぶん、嘔吐や下痢が続くと大人より短い時間で脱水になりやすい点に注意が必要です。
子どもが吐いたりおなかを痛がったりしていると、そばで見守る側も心配でたまらなくなりますよね。
吐き気が少し落ち着いたら、経口補水液などを少量ずつ口にふくませ、水分がとれているか、おしっこが出ているかを確認しておきましょう。
コロナの下痢はいつまで続く?
コロナの下痢は、多くの場合、ほかの症状と同じように数日で落ち着き、発症から1週間ほどで回復に向かっていきます。
診療の手引きでは、軽症の場合は発症から1週間以内に症状が軽くなることが多いとされているためです[1]。
熱が下がるころには便の回数が減り、少しずつ普段の便に戻っていくという経過をたどる方もいます。
一方で、熱や喉の痛みが治ったあとも、下痢や腹痛だけがしばらく続くことがあります。
トイレの心配があると、外出や仕事に戻るタイミングも決めにくいですよね。
下痢が続く期間の目安を知っておけば、今の状態が回復の途中なのか、相談が必要なのかを判断しやすくなります。
多くは数日で落ち着き1週間ほどで回復に向かう
コロナの下痢は、多くの場合、数日のうちに便の回数が減り、発症から1週間ほどで普段の状態に戻っていきます。
診療の手引きでは軽症の場合は発症から1週間以内に症状が軽くなることが多いとされており[1]、ウイルスの排出量も発症後5日を過ぎると大きく減るとされているためです[3]。
発症して2〜3日は1日に数回の水のような便が出ていたのに、4〜5日目にはやわらかい便に変わり、1週間ほどで普段どおりに戻ったという経過をたどる方もいます。
下痢がおさまってきても、おなかの調子はしばらく敏感な状態が続くため、脂っこいものや冷たいものを急にとると、再びゆるくなることがあります。
トイレの回数が少しずつ減ってくると、ほっとした気持ちになりますよね。
便の回数や状態の変化をメモしておくと、回復に向かっているかを確かめやすくなるため、食事も少しずつ元に戻していきましょう。
治ったあとも下痢や腹痛が続くときは後遺症の可能性も
コロナの熱や喉の痛みが治ったあとも、下痢や腹痛が長く続くときは、後遺症(罹患後症状)の可能性があります。
厚生労働省の手引きでは、罹患後症状は少なくとも2か月以上続き、ほかの病気では説明がつかないものと定義されており[4]、その手引きをもとにした目黒区の案内では、後遺症でみられる症状として下痢や腹痛があげられているためです[5]。
同じ手引きでは、罹患後症状の多くは時間の経過とともに改善し、数か月から半年で徐々に良くなることが大半とされています[4]。
療養を終えて職場に戻ったものの、食事のたびにおなかがゆるくなる、腹痛が続いて集中できないといった状態に悩む方もいるでしょう。
ただし、下痢や腹痛はほかの胃腸の病気でも起こるため、コロナのせいだと決めつけずに、医療機関でほかの原因がないかを確かめることが大切です。
治ったはずなのにおなかの不調が続くと、気持ちまで沈んでしまいますよね。
おなかの不調が長く続くときは、コロナにかかった時期や便の状態をメモしておき、かかりつけ医に相談してみてください。
下痢が中心のときはコロナ?胃腸炎との見分け方
下痢が中心の症状の場合、それがコロナによるものなのか、ノロウイルスなどの胃腸炎によるものなのかを、症状だけで見分けるのは難しいのが実情です。
コロナでも下痢や吐き気が出ることがある一方で[1]、胃腸炎でも発熱やだるさを伴うことがあり、症状が重なりやすいためです。
秋から冬にかけては、コロナやインフルエンザに加えて、ノロウイルスなどの胃腸炎も流行しやすい時期にあたります。
家族の中でコロナにかかった人がいるのか、胃腸炎がはやっている保育園や学校に通っている人がいるのかによっても、考えられる原因は変わってきます。
おなかの症状が中心だと、コロナの検査を受けるべきか迷ってしまいますよね。
それぞれの症状の特徴と、見分けるときの手がかりを知っておけば、検査や受診を考えるときに役立ちます。
ノロウイルスなどの胃腸炎は嘔吐と下痢が中心
ノロウイルスなどによる胃腸炎は、急な吐き気や嘔吐、下痢が主な症状で、喉の痛みや鼻水は目立たないことが多いです。
健康長寿ネットでは、ノロウイルス感染症の潜伏期間は1〜2日で、吐き気や嘔吐、下痢が主な症状とされ、腹痛や発熱を伴う場合もあるとされているためです[6]。
同じページでは、ノロウイルス感染症の多くは特別な治療をしなくても1〜2日で軽くなるとされています[6]。
一方で、症状が良くなったあとも3〜7日ほどは便にウイルスが出続けるため、家族などにうつさないよう注意が必要とされています[6]。
前の日まで元気だったのに、夜中に突然何度も吐いて、そのあと下痢が始まったという始まり方は、胃腸炎によくみられるパターンです。
嘔吐と下痢が一度に起こると、体力も気力も一気に奪われてしまいますよね。
喉の痛みや咳がなく、急な嘔吐と下痢から始まった場合は胃腸炎の可能性も考えつつ、脱水を防ぐことを最優先にしましょう。
症状だけでは見分けにくく周りの状況や検査が手がかりになる
下痢の原因がコロナなのか胃腸炎なのかを見分けるには、症状だけで判断せず、周りの感染状況やほかの症状、検査の結果を手がかりにすることが大切です。
コロナでも下痢が出ることがあり[1]、胃腸炎でも発熱やだるさを伴うことがあるため[6]、おなかの症状だけでは区別がつきにくいためです。
家族や職場の人がコロナと診断された、下痢の前後に喉の痛みや咳が出てきたといった場合は、コロナの可能性を考えて検査をしてみるとよいでしょう。
一方で、同じ食事をとった人が同時におなかをこわした、保育園で胃腸炎がはやっているといった場合は、胃腸炎の可能性が高まります。
コロナの検査キットを使う場合は、症状が出始めたばかりのころは陰性になることもあり、発症の前日に抗原検査で陽性となった人は約3割にとどまっていたことが示されています[7]。
いくつかの手がかりを集めても判断がつかないと、もどかしく感じますよね。
症状が出てから半日〜1日ほどたって検査し、陰性でも症状が続くときは、再検査や医療機関への相談を考えてみてください。
コロナで下痢になったときの対処法
コロナで下痢になったときは、脱水を防ぐことを第一に考え、水分と塩分をこまめにとりながら、おなかにやさしい食事で体を整えることが基本です。
下痢では便と一緒に体の水分や塩分が失われやすく、発熱で汗をかいていると、さらに脱水になりやすい状態になるためです。
水のような便が1日に何度も出ているときは、自分が思っている以上に体の水分が失われていることがあります。
下痢を早く止めたい気持ちから、市販の下痢止めを使おうと考える方もいるでしょう。
トイレとベッドを往復するだけで疲れてしまい、何をすればよいか考える余裕もなくなりますよね。
自宅でできる対処法を知っておけば、つらい時期も脱水を防ぎながら、落ち着いて回復を待つことができます。
脱水を防ぐために水分と塩分をこまめにとる
コロナで下痢があるときは、脱水を防ぐために、水分と塩分を少しずつこまめにとることを最優先にしましょう。
下痢では便と一緒に水分だけでなくナトリウムなどの塩分も失われるため、水だけを飲んでいると、体に必要な塩分が足りなくなることがあるためです。
経口補水液は、失われた水分と塩分を効率よく補えるように作られているため、下痢が続くときに取り入れやすい飲み物です。
一度にたくさん飲むとおなかを刺激して吐き気や下痢が強くなることもあるため、スプーンや小さなコップで数口ずつ、間隔をあけて飲むと続けやすくなります。
子どもの場合、鹿児島県小児科医会は、嘔吐や下痢が何度も続いて口の中が乾いている、半日以上おしっこが出ていないといった様子があれば、かかりつけ医などに相談するよう案内しています[8]。
下痢が続くと「飲むとまたトイレに行きたくなるから」と、水分を控えてしまいたくなりますよね。
トイレの回数が増えても水分はしっかりとる必要があると考え、枕元に飲み物を置いて少しずつ口にする習慣をつけておきましょう。
おなかにやさしい食事を少しずつとる
下痢が続いているあいだは、消化のよいおなかにやさしい食べ物を、少しずつとるようにしましょう。
脂っこいものや刺激の強いもの、冷たいもの、食物繊維の多いものは腸を刺激し、下痢を長引かせることがあるためです。
おかゆや雑炊、やわらかく煮たうどん、すりおろしたりんご、バナナ、豆腐、具の少ないスープなどは、おなかへの負担が少なく食べやすいでしょう。
揚げ物や辛い料理、アルコール、カフェインを多く含む飲み物、乳製品などは、下痢がおさまるまで控えておくと安心です。
食欲がないときは無理に食べる必要はなく、水分と塩分をとれていれば、まずは十分と考えてかまいません。
おなかの調子が悪いと、何なら食べても大丈夫なのか迷ってしまいますよね。
下痢が落ち着いてきたら、おかゆからごはんへ、うどんから普段のおかずへと、数日かけて少しずつ元の食事に戻していきましょう。
下痢止めなどの市販薬は自己判断で使わず相談する
コロナで下痢があるときに市販の下痢止めを使う場合は、自己判断で使わず、薬剤師や医師に相談してからにしましょう。
感染症による下痢は、腸の中のウイルスなどを体の外に出そうとする反応でもあり、下痢止めで無理に止めると、かえって回復が遅れる場合があるためです。
市販の下痢止めの多くは、発熱を伴う下痢や血便がある場合には使用しないよう、説明書で注意が呼びかけられています。
一方で、腸内環境を整える整腸剤は、感染症による下痢でも比較的使いやすい薬の一つです。
東京都は、ほかの薬を飲んでいる方や妊娠中の方、子どもに使う場合などは、市販薬を購入するときに薬剤師へ相談するよう案内しています[9]。
下痢が続くと、少しでも早く止めたいと思ってしまいますよね。
薬局で熱があることや便の状態、飲んでいるほかの薬を伝えて相談すると、今の状態に合った薬を選びやすくなります。
コロナで下痢があるときの家族への感染対策
コロナで下痢があるときは、トイレや手がよく触れる場所の掃除と、便で汚れた衣類やタオルの扱いに気をつけて、家族にうつさない工夫をしましょう。
日本環境感染学会の資料をもとにした「家庭内でご注意いただきたいこと8つのポイント」では、便からウイルスが検出されることがあると注意が呼びかけられているためです[10]。
トイレを家族と共用している場合は、使ったあとにドアノブや水洗レバーなどを拭く、トイレのあとは石けんでしっかり手を洗うといった習慣が大切です。
同じ資料では、部屋を分ける、こまめに手を洗う、換気をするといった対策もあげられています[10]。
家族と暮らしていると、トイレやお風呂を分けられず、どこまで気をつければいいのか迷ってしまいますよね。
具体的な掃除や洗濯の方法を知っておけば、できる範囲で無理なく対策を続けやすくなります。
トイレや手が触れる場所をこまめに掃除・消毒する
下痢があるあいだは、トイレや、ドアノブなど家族の手がよく触れる場所をこまめに掃除・消毒しておきましょう。
「家庭内でご注意いただきたいこと8つのポイント」では、トイレや洗面所は家庭用洗剤ですすぎ、家庭用消毒剤でこまめに消毒するよう案内されているためです[10]。
同じ資料では、ドアの取っ手やノブなどの共用部分は、薄めた家庭用塩素系漂白剤(主成分が次亜塩素酸ナトリウムのもの、濃度0.05%が目安)で拭いたあと、水拭きするとされています[10]。
トイレでは、便座や水洗レバー、トイレットペーパーホルダー、ドアノブ、照明のスイッチなど、使うたびに手が触れる場所を重点的に拭いておくと安心です。
塩素系漂白剤を使うときは、換気をしながら手袋をつけ、ほかの洗剤と混ぜないように注意しましょう。
トイレのたびに掃除をするのは大変で、つい後回しにしたくなりますよね。
家族のだれかが掃除を担当する場合は、使い捨ての手袋やペーパータオルを用意しておくと、負担を減らしながら対策を続けられます。
便で汚れた衣類やタオルは手袋をつけて洗濯する
下痢で衣類やタオル、シーツなどが便で汚れたときは、手袋とマスクをつけて扱い、家庭用の洗剤で洗濯して完全に乾かしましょう。
「家庭内でご注意いただきたいこと8つのポイント」では、体液で汚れた衣類やリネンを扱うときは手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯して完全に乾かすよう案内されているためです[10]。
同じ資料では、タオルや衣類、食器などは通常の洗濯や洗浄でよく、感染した人の物を分けて洗う必要はないとされています[10]。
便で汚れた衣類は、ほかの洗濯物と一緒に洗う前に、汚れた部分を軽く洗い流しておくと、洗濯機の中で汚れが広がりにくくなります。
作業が終わったら手袋を外してすぐに捨て、石けんで手をしっかり洗うことも大切です。
体調が悪い中で汚れ物の始末をするのは、気持ちの面でもつらいものですよね。
汚れ物を入れるビニール袋や手袋をトイレの近くに用意しておくと、慌てずに処理でき、家族への感染も防ぎやすくなります。
コロナの下痢ですぐに受診したほうがよいサイン
コロナの下痢の多くは自宅で休むうちに落ち着いていきますが、脱水のサインがあるときや、血便・強い腹痛があるときは、早めに医療機関を受診することが大切です。
下痢が続いて体の水分が大きく失われると、点滴などの治療が必要になることがあり、血便や強い腹痛は、コロナ以外の病気が隠れているサインのこともあるためです。
健康長寿ネットでも、胃腸炎で重い脱水になった場合は、病院で点滴などの治療が必要になるとされています[6]。
子どもや高齢の方は、大人よりも脱水になりやすく、体調が急に悪くなることもあります。
どの程度の下痢なら自宅で様子を見てよいのか、判断に迷ってしまいますよね。
すぐに受診したほうがよいサインを知っておけば、必要なときにためらわずに医療機関へ相談できます。
水分がとれない・尿が出ないなど脱水のサインがあるとき
下痢に加えて、水分がほとんどとれない、尿の量や回数が明らかに減ったといった脱水のサインがあるときは、早めに医療機関に相談してください。
体の水分が大きく失われると、めまいや強いだるさ、意識がぼんやりするといった症状につながり、自宅での水分補給だけでは回復が追いつかないことがあるためです。
口の中や唇が乾いている、立ち上がるとクラッとする、尿の色が濃く半日近くトイレに行っていないといった変化は、脱水が進んでいるサインのことがあります。
子どもの場合は、鹿児島県小児科医会が、水分がとれない、嘔吐や下痢が何度も続いて口の中が乾いている、半日以上おしっこが出ていないといった様子を、相談の目安にあげています[8]。
厚生労働省は、自宅療養中に注意したい「緊急性の高い症状」として、顔色が明らかに悪い、ぼんやりして反応が弱いといった症状をあげています[11]。
水分をとろうとしてもすぐに下痢や嘔吐をしてしまうと、どうすればいいのかわからなくなりますよね。
ぐったりしている、呼びかけへの反応が弱いなど急を要する場合は、ためらわずに119番に連絡しましょう。
血便や強い腹痛があるとき・子どもや高齢の方の変化
便に血が混じる、我慢できないほどの強い腹痛が続くといった症状があるときは、コロナの下痢だと決めつけず、早めに医療機関を受診してください。
血便や強い腹痛は、細菌による腸炎や、腸の炎症性の病気など、コロナ以外の病気が隠れているサインのことがあり、原因に合った治療が必要になるためです。
診療の手引きでは、子どもの場合、まれにコロナにかかってから2〜6週間ほどたって、腹痛や嘔吐、高い熱、下痢があらわれる「小児多系統炎症性症候群(MIS-C)」という病気が起こることがあるとされています[1]。
同じ手引きでは、高齢であることや糖尿病、高血圧、慢性の腎臓の病気などが、コロナの重症化に関わる要因としてあげられています[1]。
高齢の方は、下痢が続くと短い時間で脱水が進みやすく、食事の量が減る、元気がなくなるといった形で体調の変化があらわれることもあります。
コロナが治ったと思っていた子どもが、しばらくしてからおなかを強く痛がり始めると、保護者の方は不安でいっぱいになりますよね。
いつもと違う強い症状や、子どもや高齢の家族の様子の変化に気づいたら、コロナにかかった時期も伝えたうえで、早めに医療機関へ相談しましょう。
コロナの下痢についてのまとめ
コロナにかかると、喉の痛みや発熱だけでなく、下痢や腹痛といったおなかの症状があらわれることがあります。
厚生労働省の診療の手引きでもコロナの症状として下痢があげられており、子どもでは吐き気や嘔吐、腹痛が出やすくなっていることが示されているためです。
コロナの下痢は、多くの場合、数日で落ち着き、発症から1週間ほどで回復に向かいますが、治ったあとも続くときは後遺症の可能性もあります。
下痢が中心のときは、ノロウイルスなどの胃腸炎との見分けが難しいため、周りの感染状況やほかの症状、検査の結果を手がかりにしましょう。
下痢があるときは、水分と塩分をこまめにとって脱水を防ぎ、おなかにやさしい食事を少しずつとり、下痢止めは自己判断で使わないことが大切です。
家族と暮らしている場合は、トイレや手が触れる場所の掃除と、汚れた衣類の扱いに気をつけて、うつさない工夫を続けてください。
水分がとれない、尿が出ない、血便や強い腹痛があるといったときは、早めに医療機関に相談しましょう。
熱に加えておなかの不調まで重なると、体も気持ちもつらくなってしまいますよね。
下痢の原因と対処法、受診の目安を知っておけば、慌てずに脱水を防ぎながら、落ち着いて回復を待てるでしょう。
参考文献
[1] 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第10.1版」(2024年4月)
https://www.mhlw.go.jp/content/001248424.pdf
[2] 沖縄県新型コロナウイルス感染症対策本部・医療コーディネーター「沖縄県における流行状況と求めたい施策」(新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード提出資料、2022年1月)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000877245.pdf
[3] 京都府「感染症法上の位置づけ変更後の療養に関するQ&A」
https://www.pref.kyoto.jp/shisetsucluster/documents/5-15.pdf
[4] 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第3.1版」(2025年2月)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001422904.pdf
[5] 目黒区「新型コロナウイルス感染症の後遺症」
https://www.city.meguro.tokyo.jp/hokenyobou/kenkoufukushi/iryou/coronakouishou.html
[6] 長寿科学振興財団「健康長寿ネット ノロウイルス感染症」
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/kansenshou/norovirus.html
[7] 厚生労働省「オミクロン株感染における感染、発病、感染性のある期間等に関する文献資料」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000970030.pdf
[8] 鹿児島県小児科医会「お子さんが新型コロナウイルスに感染したときの見守るポイント」(令和5年5月8日改訂)
https://www.pref.kagoshima.jp/ae06/documents/102879_20230508200334-1.pdf
[9] 東京都保健医療局「感染に備えて準備をしておきましょう」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/info/corona/corona_portal/shien/ryouyounisonaete
[10] 大阪府「家庭内でご注意いただきたいこと8つのポイント」(日本環境感染学会の資料を一部改変)
https://www.pref.osaka.lg.jp/kikikanri/hinan_campaign/8point.html
[11] 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における健康観察における留意点について」(緊急性の高い症状)
https://www.mhlw.go.jp/content/000625758.pdf
最終閲覧日:2026年10月14日
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