「インフルエンザ脳症は子どもの病気だと思っていたけれど、大人もなるの?」と不安になっていませんか?
インフルエンザ脳症は小児での報告が中心ですが、20歳以上の成人例も、各シーズンで報告の10〜35%を占めるとの報告があります[1]。
成人例は小児例より少ないものの、届出時点で死亡と報告された割合は、20〜59歳で9.7%、60歳以上で15.2%と小児より高く、決して軽視できないとされています[1]。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザにともなって意識障害を中心とする重い神経の症状が現れる病気で、急速に進むこともあるため、早めに気づいて受診することが大切です[2]。
この記事では、大人のインフルエンザ脳症の特徴、子どもとの違い、注意したい症状や前兆、受診の目安、解熱剤との関係、予防のためにできることまでをまとめています。
「熱だけでなく、様子がおかしい」と感じたときにすぐ行動するための判断材料として、役立ててください。
インフルエンザ脳症とは?大人もなる可能性はある
「インフルエンザ脳症って、具体的にどんな病気なの?」と気になる方もいるでしょう。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザにともなって起こる重い合併症のひとつで、意識障害などの重い神経の症状が現れるのが特徴です[1][2]。
小児での報告が中心の病気ですが、大人でも報告があり、決して子どもだけの病気ではありません[1]。
ここでは、インフルエンザ脳症の基本と、大人がなる可能性について整理します。
インフルエンザにともなって、意識障害などの重い神経の症状が急に現れる
インフルエンザ脳症は、インフルエンザにかかったことにともなって、意識障害を主な症状とする急性の脳症が起こる病気です[2]。
インフルエンザは細菌による肺炎などの重い合併症を起こすことで知られており、インフルエンザ脳症もそのひとつとして、重い神経の症状をともなう急性脳症とされています[1]。
国の感染症の届出の仕組みでは、意識障害をともなって亡くなった人、または意識障害をともなって24時間以上入院した人などが、急性脳炎(脳症を含む)として届け出の対象になります[1]。
「熱が高いだけ」と思っていた家族が急に呼びかけに答えなくなったら、驚いて何をすればいいか分からなくなりますよね。
インフルエンザ脳症は「意識の異常」が大きな手がかりになると知っておくと、いざというときに早く気づきやすくなります。
小児が中心だが、成人例も報告の10〜35%を占める
インフルエンザ脳症は小児の報告が中心ですが、20歳以上の成人例も、各シーズンで報告の10〜35%を占めるとされています[1]。
2015年に公表された集計では、2009/10〜2014/15シーズンの6シーズンで計748例のインフルエンザ脳症が報告され、シーズンによって変動はあるものの、毎回一定の割合で成人例が含まれていました[1]。
成人例は小児例に比べて数は少なく、成人では稀な病気とされています[2]。
「大人だから脳症の心配はない」と思い込んでいた方にとっては、意外に感じる数字かもしれません。
インフルエンザの流行のピークと脳症の報告のピークはよく一致しており、流行が大きいほど脳症の報告数も増える傾向があります[1]。
大人もまれにインフルエンザ脳症になることがあると知ったうえで、流行期には自分や家族の体調の変化に気を配っておくと安心です。
大人のインフルエンザ脳症の特徴|子どもとの違い
「大人のインフルエンザ脳症は、子どもと何が違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
2015年に公表された集計では、成人例は小児例より数は少ないものの、症状の出方や重症度に違いがあることが示されています[1]。
次の表は、その集計をもとに、年齢群ごとの届出時点での死亡割合をまとめたものです[1]。
インフルエンザ脳症の届出時点での死亡割合(年齢群別、2009/10〜2014/15シーズンの集計)
| 年齢群 | 届出時点で死亡と報告された割合 |
|---|---|
| 0〜4歳 | 6.9% |
| 5〜19歳 | 4.9% |
| 20〜59歳 | 9.7% |
| 60歳以上 | 15.2% |
表のとおり、大人、とくに60歳以上では子どもより死亡割合が高く、成人例も重症度の面で決して軽視できないことが分かります[1]。
大人では頭痛や嘔吐、首の硬さがみられる割合が高い
大人のインフルエンザ脳症では、頭痛や嘔吐、首の硬さ(項部硬直)などがみられる割合が比較的高いのが特徴です[1]。
2015年に公表された集計では、5〜19歳と20〜59歳で頭痛や嘔吐が比較的多くみられ、20〜59歳と60歳以上では、小児例と比べて項部硬直や髄液の細胞数の増加がみられる割合が多いと報告されています[1]。
発熱はどの年齢群でも88.9〜95.5%と高い割合で認められており、けいれんは熱性けいれんを起こしやすい0〜4歳で高い割合でした[1]。
「インフルエンザで頭が痛いのは当たり前」と思って、強い頭痛や吐き気を見過ごしてしまうこともあるかもしれません。
大人の場合は、意識の変化に加えて、いつもと違う強い頭痛や繰り返す嘔吐、首の硬さにも注意を向けておくことが大切です。
大人・高齢者では、届出時の死亡割合が子どもより高い
大人のインフルエンザ脳症は、届出時点で死亡と報告された割合が子どもより高く、とくに60歳以上では15.2%に上るとされています[1]。
高齢の方は、インフルエンザによる細菌性の肺炎などでも重症化しやすいことが報告されています[1]。
成人例は数としては少ないものの、症状ごとに小児例との違いもあり、重症度においては決して軽視できないと考えられます[1]。
なお、この集計は届出時点の情報にもとづくもので、届出後の経過は含まれていないなど、解釈には注意が必要とされています[1]。
「高齢の親がインフルエンザにかかった」というときは、とくに不安が大きくなりますよね。
年齢が上がるほど重い経過をたどる可能性があると知り、高齢の家族がインフルエンザにかかったときは、意識や様子の変化をこまめに確認しておきましょう。
大人のインフルエンザ脳症で注意したい症状・前兆
「どんな様子になったら、インフルエンザ脳症を疑えばいいの?」と気になりますよね。
インフルエンザ脳症では意識障害が主な症状で、けいれんをともなうこともあります[1][2]。
大人の報告例では、発熱から短い時間で急速に悪化した経過も示されています[2]。
ここでは、大人のインフルエンザ脳症で注意したい症状と前兆を確認していきます。
意識がもうろうとする・呼びかけへの反応が鈍い
大人のインフルエンザ脳症で最も注意したいのは、意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍いといった意識の変化です[1][2]。
インフルエンザ脳症は意識障害を主な症状とする急性脳症であり、届け出の基準にも意識障害が含まれています[1][2]。
成人例の報告では、発熱の翌朝に起き上がれず、声が出しにくくなり、意識がもうろうとして着替えも難しい状態になっていました[2]。
「熱のせいでぼんやりしているだけ」と思いたくなる気持ちもあるでしょう。
名前を呼んでも目を開けない、話しかけても会話がかみ合わないといった変化は、高熱によるだるさとは分けて考えることが大切です。
意識の様子がいつもと違うと感じたら、様子を見続けずに、すぐに医療機関を受診してください[5]。
けいれんが起こることがある
インフルエンザ脳症では、意識障害に加えて、けいれんが起こることがあります[1][2]。
2015年に公表された集計では、けいれんは熱性けいれんを起こしやすい0〜4歳で高い割合でしたが、成人例でもけいれんをともなう報告が見られます[1][2]。
成人例の報告では、医療機関に運ばれたあとに片方の腕のけいれんが起こり、その後、けいれんが繰り返し起こる状態になっていました[2]。
大人がけいれんを起こす場面に立ち会うと、家族はどうしてよいか分からず、強い不安を感じるはずです。
けいれんの始まった時刻や続いた時間を確認しておくと、医療機関での説明に役立ちます。
インフルエンザにかかっている大人にけいれんが見られた場合は、ためらわずにすぐ医療機関を受診しましょう。
発熱から短い時間で急に悪化することがある
大人のインフルエンザ脳症は、発熱から短い時間で急速に悪化することがあるため、早めに気づくことが重要です[2]。
成人例の報告では、発熱した日の翌朝に意識がもうろうとし、受診中に意識を失い、その翌日に亡くなるという、きわめて急速に進行した経過が報告されました[2]。
この報告の方はインフルエンザワクチンを接種していましたが、A型に対する抗体が十分にできていなかったと考えられ、なぜ脳症に至ったかは明らかではなかったとされています[2]。
「夜に熱が出たから、明日の朝に受診すればいい」と考えることもあるかもしれません。
インフルエンザの流行と脳症の報告数は連動しており、流行が大きいシーズンほど報告数も増える傾向にあります[1]。
発熱後に意識や様子の変化が少しでも見られたら、時間帯にかかわらず、早めに医療機関に相談しておくと安心です。
2026/27シーズンのインフルエンザ脳症の報告状況
「今シーズンは、インフルエンザ脳症が増えているの?」と気になる方もいるでしょう。
インフルエンザ脳症の報告数は、インフルエンザの流行の大きさと連動して増える傾向があります[1]。
2026/27シーズンは例年より早く流行が始まっており、脳症への注意も早めに意識しておきたいシーズンです[3]。
ここでは、最新の報告状況を確認します。
2025/26シーズンは176例が報告され、A型が7割以上を占めた
2025/26シーズンのインフルエンザ脳症は176例が報告されており、そのうち14例が亡くなっています[3]。
検出されたインフルエンザウイルスの型は、A型が132例(75.0%)、B型が29例(16.5%)でした[3]。
過去のシーズンでは、2023/24シーズンに191例、2024/25シーズンに182例が報告されています[3]。
2026/27シーズンは2026年8月下旬に全国で流行入りし、1999年以降では2009年に次いで2番目に早いスタートとなりました[3]。
直近ではA型(H1N1)が検出の大半を占めており、「今年は早めに注意したほうがいいのでは」と感じる方もいるかもしれません[3]。
流行が早いシーズンこそ、インフルエンザにかかったときの意識の変化に早めに気づけるよう、家族で注意点を共有しておくと安心です。
インフルエンザ脳症が疑われるときの受診の目安
「どのくらいの症状なら、すぐに受診したほうがいいの?」と迷いますよね。
インフルエンザ脳症は急速に進むことがあるため、意識の異常などのサインがあれば、様子を見ずに受診することが大切です[2][5]。
とくに一人暮らしの大人は、自分で異変に気づきにくいこともあるため、周りの人の協力も欠かせません。
ここでは、受診の目安と、一人暮らしの場合の備えをまとめます。
意識の異常やけいれんがあれば、ためらわずにすぐ受診する
インフルエンザにかかっている大人に、意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い、けいれんが起こるといった変化があれば、ためらわずにすぐ医療機関を受診しましょう[1][5]。
厚生労働省は、高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪い場合には、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています[5]。
成人例の報告では、発熱の翌朝には意識がもうろうとし、その翌日には亡くなるほど急速に進行していました[2]。
夜間や休日で「こんな時間に受診していいのか」と迷うこともあるでしょう。
受診先に迷うときは、住んでいる地域の救急相談窓口や医療機関に電話で相談するのもひとつの方法です。
意識やけいれんの異常は「様子を見る」ではなく「すぐ受診する」サインと考えておくと、いざというときに迷わず行動できます。
一人暮らしの大人は、体調の変化を周りに伝えておく
一人暮らしの大人がインフルエンザにかかったときは、家族や友人、職場の人などに体調を伝え、こまめに連絡を取り合える状態にしておくと安心です。
インフルエンザ脳症では意識障害が主な症状となるため、本人が自分の異変に気づいたり、助けを求めたりすることが難しくなるおそれがあります[1][2]。
「朝と夜に一度ずつメッセージを送る」「返信がなければ電話をしてもらう」といった簡単なルールを決めておくと役立ちます。
高熱で一人で寝込んでいると、「誰にも迷惑をかけたくない」と連絡を控えてしまう方もいるかもしれません。
インフルエンザにかかったら、発症から数日間は、特に周りとのつながりを保っておくことが大切です。
自分の体調を誰かと共有しておけば、もしものときに早く気づいてもらえる可能性が高まります。
インフルエンザ脳症と解熱剤の関係
「解熱剤のせいで、インフルエンザ脳症になることはあるの?」と不安に思う方もいるでしょう。
一部の解熱剤については、インフルエンザ脳炎・脳症の重症化との関連が報告され、使用上の注意が改められてきました[4][6]。
どの解熱剤に注意が必要なのかを知っておくと、熱が出たときにも落ち着いてお薬を選べます。
ここでは、解熱剤とインフルエンザ脳症の関係を整理します。
ジクロフェナクナトリウムは、インフルエンザ脳炎・脳症の患者には禁忌
解熱鎮痛成分のジクロフェナクナトリウムは、インフルエンザ脳炎・脳症の患者への投与が禁忌とされています[4]。
厚生労働省の研究班の調査で、インフルエンザ脳炎・脳症の患者のうちジクロフェナクナトリウムを使った群で死亡率が高いと報告され、明確な因果関係は認められないものの、投与を禁忌とすることとされました[4]。
調査では、脳の血管に損傷が生じていることも特徴的に見出されたとの報告があります[4]。
このほか、メフェナム酸は小児のインフルエンザにともなう発熱に基本的に投与しないこととされ、アスピリンなどのサリチル酸系医薬品も、15歳未満のインフルエンザの患者には原則投与しないこととされています[6]。
「家にある痛み止めが、どの成分か分からない」という方もいるかもしれません。
解熱鎮痛薬を使う前には成分を確かめ、分からない場合は薬剤師に確認すると安心です。
解熱剤は自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談する
インフルエンザのときの解熱剤は、自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談して選ぶことが大切です[6]。
厚生労働省は、インフルエンザの流行期に、医師の指導によらないまま家庭で医療用の解熱剤を使うことのないよう注意を呼びかけています[6]。
インフルエンザ脳炎・脳症の調査では、避けるべき解熱剤が家庭で使われていた事例があったとの報告もあります[6]。
「以前もらった痛み止めが残っているから、それで熱を下げよう」と考える方もいるでしょう。
処方されたお薬は診察を受けたときの状態に合わせたものであり、同じような症状だからといって、残りを自己判断で使ってはいけないとされています[6]。
熱が出たときに使える解熱剤は、受診時や薬局で前もって確認しておくと、慌てずに対処できます。
インフルエンザ脳症を防ぐためにできること
「インフルエンザ脳症を防ぐために、大人ができることはある?」と考える方もいるでしょう。
インフルエンザ脳症が起こる理由はまだ明らかではない部分が多く、インフルエンザそのものへの備えと、かかったときの早めの受診が大切です[2][5]。
日ごろの予防と、かかったときの対応の両方を意識しておくことが、重症化への備えにつながります。
ここでは、大人が取り組みたい予防のポイントを確認します。
ワクチン接種と早めの受診で、インフルエンザの重症化に備える
インフルエンザワクチンの接種と、かかったときの早めの受診は、インフルエンザの重症化に備えるうえで基本となる取り組みです[5]。
インフルエンザワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発病を予防する効果に加えて、重症化を予防する効果も期待されています[5]。
成人のインフルエンザ脳症の報告には、ワクチンを接種していたにもかかわらず発症した例もあり、ワクチンだけで脳症を防げるとはいえません[2]。
抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に服用を始めると発熱の期間が短くなるとされ、高齢の方や持病のある方では重症化予防の効果があるとされています[5]。
「ワクチンを打ったから大丈夫」と油断して、発熱後の受診が遅れてしまうこともあるかもしれません。
ワクチンと手洗いなどの日常の予防に加えて、かかったときは早めに受診し、意識の変化などのサインを見逃さないようにしましょう。
大人のインフルエンザ脳症に関するよくある質問
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Q1. 大人がインフルエンザ脳症になる確率はどのくらいですか?
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大人がインフルエンザ脳症になる確率について、公的機関が一般向けに示している数値は見当たりません。
2015年に公表された集計では、インフルエンザ脳症は毎シーズン60〜100例ほど報告され、そのうち20歳以上の成人例は10〜35%とされています[1]。
成人では稀な病気とされていますが、まれでも起こりうると知り、意識の変化などのサインに注意しておきましょう[2]。
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Q2. 大人のインフルエンザ脳症で、後遺症が残ることはありますか?
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大人のインフルエンザ脳症の後遺症について、割合などを示した公的機関の一般向けのデータは見当たりません。
インフルエンザ脳症は重い神経の症状をともなう病気であり、成人例でも重症度は決して軽視できないとされています[1]。
後遺症が心配な場合は、治療を受けた医療機関で、今後の経過やリハビリについて相談してみてください。
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Q3. ワクチンを打っていても、インフルエンザ脳症になることはありますか?
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ワクチンを接種していても、インフルエンザ脳症になることはあります[2]。
成人例の報告でも、ワクチンを接種していたにもかかわらず、A型に対する抗体が十分にできていなかったと考えられる例が示されています[2]。
ワクチンには重症化を予防する効果が期待されているため、接種したうえで、かかったときは早めに受診することが大切です[5]。
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Q4. ロキソニンを飲むとインフルエンザ脳症になりますか?
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ロキソニンの成分であるロキソプロフェンは、厚生労働省がインフルエンザのときに使用を避けるべきとしている解熱剤(サリチル酸系医薬品、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸)には含まれていません[6]。
ただし、インフルエンザのときに医療用の解熱剤を自己判断で使わないよう、注意が呼びかけられています[6]。
大人も、ロキソニンを含む解熱剤を使う前には、医師や薬剤師に相談しておくと安心です。
まとめ
インフルエンザ脳症は小児の報告が中心ですが、20歳以上の成人例も、各シーズンで報告の10〜35%を占めるとの報告があります[1]。
成人例は数こそ少ないものの、届出時点での死亡割合は20〜59歳で9.7%、60歳以上で15.2%と、子どもより高い傾向が示されています[1]。
大人では、意識の変化やけいれんに加えて、強い頭痛や嘔吐、首の硬さにも注意が必要です[1]。
発熱から短い時間で急速に悪化することもあるため、意識の異常などのサインがあれば、ためらわずにすぐ医療機関を受診しましょう[2][5]。
解熱剤は自己判断で使わず、ジクロフェナクナトリウムなど注意が必要な成分を避け、医師や薬剤師に相談して選ぶことが大切です[4][6]。
ワクチン接種と早めの受診で、インフルエンザそのものの重症化に備えておきましょう[5]。
一人暮らしの方や高齢の家族がいる方は、流行期に体調の変化を周りと共有し、もしものときに早く気づける環境を整えておいてください。
参考文献
[1] 国立健康危機管理研究機構「インフルエンザ脳症について」(IASR Vol.36、2015年11月号)
https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/6068-dj4295.html
[2] 国立健康危機管理研究機構「<速報>インフルエンザ脳症による成人の死亡例」(IASR Vol.36、2015年)
https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/flu-m/flu-iasrs/5585-pr4231.html
[3] 国立健康危機管理研究機構「IDWR 2026年第35号<注目すべき感染症>インフルエンザ」
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/featured/2026/35/index.html
[4] 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「インフルエンザの臨床経過中に発症した脳炎・脳症の重症化と解熱剤(ジクロフェナクナトリウム)の使用について」
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/esc-rsc/0013.html
[5] 厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」(令和7年12月19日版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2025.html
[6] 岩手県「医療用医薬品の家庭における使用について」(厚生労働省の注意喚起の内容を掲載)
https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/iryou/yakumu/yakumu/1003229.html
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。
お薬の服用に関しては必ず医師にご相談ください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。