「最近、食事量は変わっていないのに体重が増えてきた」「30代を過ぎてから明らかに痩せにくくなった」という悩みを感じている男性は少なくありません。
その原因の一つとして考えられるのが、加齢とともに低下する「基礎代謝」です。
本記事では、男性の基礎代謝の仕組みから年齢別の平均値・計算方法・下がる原因・効果的な上げ方まで、公的機関の情報をもとにわかりやすく解説します。
基礎代謝を正しく理解することで、食事管理や運動の効果を最大限に引き出しやすくなるとともに、年齢を重ねても体重をコントロールしやすい生活習慣の設計が可能になります。
基礎代謝とは?男性が知っておくべき基礎知識
基礎代謝を正しく理解することが、体重管理や健康維持に取り組むうえでの出発点となります。
基礎代謝の定義と体内での役割
基礎代謝とは、呼吸・心拍・体温維持・臓器の活動など、生命を維持するために必要な最低限のエネルギー消費のことです。睡眠中や安静時でも、体は常にこれらの活動を続けており、何もしていない状態でも一定のカロリーが消費されています[1]。
基礎代謝は、私たちが1日に消費するエネルギー全体の約60〜70%を占めているとされています。残りの内訳は、身体活動によるエネルギー消費(約20〜30%)・食事誘導性熱産生(約10%)です[1]。
1日の消費カロリーの大部分は運動ではなく、基礎代謝によって消費されているということになります。基礎代謝が高い体は、同じ生活をしていても1日の消費カロリーが多くなるため、体脂肪が蓄積されにくく、体重管理がしやすい状態といえます。
基礎代謝を構成する主な内訳は、筋肉(骨格筋):約22%・肝臓:約21%・脳:約20%・腎臓・心臓・その他の臓器:残りの約37%です[1]。このうち自分の努力でコントロールできるのが「骨格筋(筋肉)」の割合です。
基礎代謝と1日の推定エネルギー必要量の関係
基礎代謝量は、1日に必要な推定エネルギー必要量を算出するうえでの基盤となる数値です。
1日の推定エネルギー必要量は「基礎代謝量×身体活動レベル」という計算式で求められます[1]。
| 身体活動レベル | 生活の目安 | 係数 |
|---|---|---|
| 低い(座位中心の生活) | ほぼ外出しない・デスクワーク中心 | 1.50 |
| 普通(立ち仕事・軽い運動あり) | 通勤・買い物・家事を含む日常生活 | 1.75 |
| 高い(活発な運動習慣あり) | 週4〜5回以上の運動・肉体労働あり | 2.00 |
基礎代謝量を正確に把握することは、「何kcal摂れば体重を維持できるか」「どのくらい減らせばアンダーカロリーになるか」という食事管理の基準を明確にする最初の重要なステップです。
男性の年齢別基礎代謝量の平均値
男性の基礎代謝量は、年齢・体重・身長・筋肉量などによって異なります。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、年齢別の基礎代謝基準値と参照体重をもとに、各年齢層の基礎代謝量の平均値が示されています[1]。
男性の年齢別基礎代謝量の平均値一覧
| 年齢 | 基礎代謝基準値(kcal/kg/日) | 参照体重(kg) | 基礎代謝量の平均値(kcal/日) |
|---|---|---|---|
| 15〜17歳 | 27.0 | 59.7 | 1,610 |
| 18〜29歳 | 23.7 | 64.5 | 1,530 |
| 30〜49歳 | 22.5 | 68.1 | 1,530 |
| 50〜64歳 | 21.8 | 68.0 | 1,480 |
| 65〜74歳 | 21.6 | 65.0 | 1,400 |
| 75歳以上 | 21.5 | 59.6 | 1,280 |
この表からわかるとおり、男性の基礎代謝量の平均値は15〜17歳をピークとして、加齢とともに緩やかに低下していく傾向があります。
実際の基礎代謝量は体重・身長・筋肉量によって異なるため、自分の体格に合った計算をおこなうことが正確な把握につながります。
男性の基礎代謝がピークを迎える年齢
男性の基礎代謝量がピークを迎えるのは、一般的に15〜17歳ごろとされています[2]。この時期は成長ホルモンの分泌が活発で、骨・筋肉・臓器が急速に発達するため、体内のエネルギー消費量が最も高くなります。
基礎代謝基準値(体重1kgあたりの1日の基礎代謝量)は、18〜29歳の23.7kcal/kgから、50〜64歳では21.8kcal/kgへと低下しており、同じ体重でも年齢が上がるほど基礎代謝量が低くなることが数値として確認できます[1]。
この低下の主な原因は、加齢にともなう筋肉量の低下です。男性は30代以降から筋肉量が少しずつ減少し始め、基礎代謝を支える骨格筋のエネルギー消費が低下することで、全体の基礎代謝量も落ちやすくなるとされています[7]。
男性と女性の基礎代謝量の違いとその理由
一般的に、男性の基礎代謝量は女性よりも高い傾向にあります。同じ年齢・身長・体重であっても、男性のほうが基礎代謝量が高くなる主な理由は、筋肉量の差です[2]。
たとえば30〜49歳の場合、男性の基礎代謝量の平均値は1,530kcalであるのに対し、同年代の女性は1,160kcal程度とされており、約370kcalの差があります[1]。
男性であっても加齢で筋肉量が低下すると女性との基礎代謝量の差が縮まるケースもあるため、男性でも筋肉量を意識的に維持することが体重管理の観点から重要です。
男性の基礎代謝の計算方法
自分の基礎代謝量を正確に把握するためには、年齢別の平均値を参考にするだけでなく、自分の体重・身長・年齢をもとに計算することが有効です。
基礎代謝基準値を使った計算方法
最もシンプルな計算方法は、基礎代謝基準値と自分の体重を掛け合わせる方法です[1]。
基礎代謝量(kcal/日)= 基礎代謝基準値(kcal/kg/日)× 体重(kg)
| 年齢 | 基礎代謝基準値(kcal/kg/日) |
|---|---|
| 18〜29歳 | 23.7 |
| 30〜49歳 | 22.5 |
| 50〜64歳 | 21.8 |
| 65〜74歳 | 21.6 |
| 75歳以上 | 21.5 |
計算例:35歳・体重70kgの男性の場合 → 22.5(基礎代謝基準値)× 70(kg)= 1,575kcal/日
この方法は計算がシンプルで公的基準に準拠しているため、日常的な体重管理の目安を把握するうえで取り入れやすい計算方法です。ただし身長が考慮されていないため、同じ体重でも身長が異なる場合は実際の値とやや差が出ることがあります。
ハリス・ベネディクト式(日本版)による計算方法
体重・身長・年齢の3つを組み合わせてより詳細に計算できるのが、ハリス・ベネディクト式(日本版)です。個人の体格をより細かく反映した基礎代謝量を求めることができます。
男性の計算式:66.47 +(13.75 × 体重kg)+(5.00 × 身長cm)-(6.76 × 年齢)
計算例:35歳・身長170cm・体重70kgの男性の場合
66.47 +(13.75 × 70)+(5.00 × 170)-(6.76 × 35)= 約1,642kcal/日
計算した基礎代謝量を1日の摂取カロリー管理に活用する方法
基礎代謝量を計算したら、「1日の推定エネルギー必要量」を求めることで、食事管理の目標カロリーを設定しやすくなります。
1日の推定エネルギー必要量(kcal/日)= 基礎代謝量 × 身体活動レベル
計算例:基礎代謝量1,642kcal・身体活動レベル「普通」(1.75)の男性の場合 → 1,642 × 1.75 ≒ 2,874kcal/日
体重を落としたい場合は、この数値から300〜500kcalを削減した範囲を摂取カロリーの目標として設定することが推奨されています[1]。ただし摂取カロリーが基礎代謝量を下回ると体が省エネモードに入り、筋肉が分解されやすくなるリスクがあるため、基礎代謝量を必ず上回ることが食事管理の最低条件です。
男性の基礎代謝が下がる原因
男性の基礎代謝量は年齢とともに低下していきますが、加齢だけが原因ではありません。生活習慣・食事内容・運動量の変化によって、年齢よりも早いペースで基礎代謝が低下することがあります。
加齢・運動不足による筋肉量の低下
男性の基礎代謝が低下する最も大きな原因は、加齢にともなう筋肉量の減少です。筋肉(骨格筋)は基礎代謝全体の約22%を占めており、筋肉量が減少すると安静時の消費カロリーが直接低下します[7]。
男性の筋肉量は30代以降から少しずつ減少し始め、60代以降は減少スピードが加速するとされており、この現象は「サルコペニア(筋肉量の加齢性低下)」とも呼ばれています。
加齢だけでなく、運動不足による筋肉量の低下も重要な原因の一つです。とくにデスクワークや車移動が中心の生活では、下半身・体幹の大きな筋肉が衰えやすく、基礎代謝の低下に直結しやすいとされています[7]。
30代・40代の男性が「若いころと同じ食事量なのに太りやすくなった」と感じるのは、筋肉量の低下による基礎代謝の低下が主な原因の一つとして挙げられます。
過度な食事制限・睡眠不足・体温の低下
体重を落とすことを目的とした過度な食事制限も、男性の基礎代謝を低下させる原因になります。摂取カロリーを基礎代謝量以下まで極端に制限すると、体はエネルギー不足を補うために筋肉をエネルギー源として分解し始めます。その結果、体重が落ちても筋肉量も同時に低下し、基礎代謝が下がって「痩せにくく太りやすい体質」へと変化するリスクがあります[1]。
睡眠不足や不規則な生活習慣も原因の一つとされています。睡眠中は成長ホルモンが分泌されて筋肉の修復・再生がおこなわれますが、睡眠不足が続くとこのプロセスが不十分になり、筋肉量の維持が難しくなるとされています[6]。
また、体温が1℃低下すると基礎代謝は約12〜13%低下するとされており、体の冷えが慢性化すると基礎代謝が全体的に落ちやすくなります[2]。男性は女性に比べると冷えを自覚しにくい傾向がありますが、運動不足・血行不良・水分不足などによって体温が低下しているケースは少なくありません。
「食べなければ痩せる」という発想で極端な食事制限をおこなうことは、短期的には体重が落ちるように見えても、長期的には基礎代謝の低下とリバウンドを招きやすい方法として注意が必要です。
男性が基礎代謝を上げるための方法
男性が基礎代謝を上げるためには、「筋肉量を増やして骨格筋の消費エネルギーを高めること」が最も根本的かつ効果的なアプローチとされています。
筋トレで筋肉量を増やす
基礎代謝を上げるための最も効果的な方法は、筋トレ(レジスタンス運動)によって筋肉量を増やすことです[7]。除脂肪量を1kg増やすと、1日の基礎代謝量が約50kcal上昇するとのデータもあり、長期的に大きな消費カロリーの増加につながる可能性があります。
筋トレは週2〜3日を目安に取り組むことが推奨されています。筋肉は筋トレで負荷をかけた後の休養中に修復・強化されるため、適切な回復期間(48〜72時間)を設けることが筋肉量を増やすうえで重要です[4]。
基礎代謝アップに特に効果的な種目として以下が挙げられます。
スクワット:太もも・お尻・ふくらはぎなど下半身全体の大きな筋肉を同時に鍛えられる、最も基礎代謝アップに効果的な種目の一つです。まずは自重で10〜15回・2〜3セットから始め、慣れてきたらダンベルで負荷を高めることで筋肉量の増加効果が高まります。
腕立て伏せ(プッシュアップ):胸筋・肩・上腕三頭筋を鍛えられる上半身の基本種目であり、器具不要で自宅でおこなえます。きつい場合は膝をつけた状態から始め、徐々に通常の腕立て伏せへ移行する段階的な方法が継続しやすい取り組み方です。
プランク:体幹(腹筋・背筋・腰部)の筋肉を鍛える種目で体幹の安定性を高め、うつぶせの状態から肘と爪先で体を支え頭から足先まで一直線を保ったまま20〜30秒静止するところから始めます。
下半身の筋肉(大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリング)は全身の筋肉量の約50%を占めており、これらを鍛えることで基礎代謝への影響が大きくなるとされています。
有酸素運動と組み合わせる
筋トレと並行して有酸素運動を取り入れることで、体脂肪の燃焼を促しながら心肺機能を高め、基礎代謝を高めやすい体の状態をつくりやすくなります[3]。
ウォーキング(早歩き)・ジョギング・サイクリング・水泳・踏み台昇降などが取り入れやすい有酸素運動として挙げられます。1回あたり20〜30分・週3〜4日を目安に取り組むことで、脂肪燃焼と体温維持の両面から基礎代謝アップをサポートしやすくなります。
筋トレと有酸素運動を同日におこなう場合は、筋トレ→有酸素運動の順番が脂肪燃焼効率を高めるうえで有効とされています。ただし1回あたり60分を超えるような長時間の有酸素運動は筋肉もエネルギーとして消費されやすくなるため避けることが推奨されています。
タンパク質を十分に摂る
基礎代謝を上げるためには、筋肉の材料となるタンパク質の摂取量を意識的に確保することが食事面での最重要ポイントです[1]。
筋肉量の維持・増加を目的とした場合、体重1kgあたり1.5〜2.0g程度のタンパク質摂取が有効とされており、体重70kgの男性であれば1日あたり約105〜140gのタンパク質を目安に摂ることが推奨されています。
鶏むね肉(皮なし・100gあたり約23g)・鶏ささみ(100gあたり約23g)・卵(1個あたり約6g)・サバ缶(1缶あたり約20g)・木綿豆腐(100gあたり約7g)・納豆(1パックあたり約7g)などが日常的に取り入れやすい高タンパク・低カロリーの食材として挙げられます[5]。
タンパク質は1食に偏って摂るのではなく、朝・昼・夜の3食に均等に分散して摂取することで筋肉の合成効率を高めやすくなります。また、筋トレ後30〜60分以内にタンパク質を摂取することで、筋肉の修復・合成が促進されやすくなるとされています。
体温を高める生活習慣を整える・十分な睡眠を確保する
体温が1℃上昇すると基礎代謝は約12〜13%増加するとされており、体温を高めることは基礎代謝アップに直結するアプローチです[2]。
38〜40度程度のぬるめのお湯に10〜15分浸かることで体の芯から温まり血行が促進されます。
入浴には自律神経を整えてリラックスさせる効果もあるため、睡眠の質の改善という観点からも基礎代謝の維持に貢献するとされています。
睡眠も基礎代謝を高めるうえで非常に重要です。
睡眠中は成長ホルモンが分泌されて筋肉の修復・合成がおこなわれるため、睡眠が不足すると筋肉量の維持が難しくなり、基礎代謝が低下しやすくなります[6]。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人男性に必要な睡眠時間として1日7〜8時間を目安に確保することが推奨されています[6]。仕事の都合で十分な睡眠時間を確保しにくい男性は、まず就寝時間を30分早めることから始めるという段階的なアプローチが継続しやすい方法です。
基礎代謝を上げることで男性が得られるメリット
基礎代謝を高めることは、体重管理だけでなく健康全般に多くのメリットをもたらすとされています。
太りにくく痩せやすい体になる
基礎代謝を上げることで得られる最も直接的なメリットは、「太りにくく痩せやすい体質になること」です[2]。基礎代謝が高いほど、同じ食事量・同じ生活をしていても1日の消費カロリーが多くなるため、体脂肪が蓄積されにくくなります。
基礎代謝が100kcal高い状態が1ヶ月続けば、単純計算で3,000kcal分の消費カロリーが増えます。これは体脂肪約420g分に相当するため、基礎代謝を高めることが長期的な体型維持に大きく貢献します。
疲れにくい体・冷えの改善・生活習慣病リスクの低減
基礎代謝を上げるために取り組む筋トレや運動習慣は、全身の血行促進・心肺機能の向上・体力の向上にもつながります。その結果、日常的な疲れを感じにくくなる・仕事後のパフォーマンスが維持しやすくなるという効果が期待できるとされています[7]。
基礎代謝を上げて体温が高い状態を維持できるようになると、手足の冷えや体の芯から感じる冷えが改善されやすくなるとされており[2]、体温が高い状態は免疫細胞の活性化にも関係しているとされています。
筋トレや運動習慣によって筋肉量を維持し基礎代謝を高めることは、インスリン感受性の維持・血糖値の管理・内臓脂肪の減少という観点から、生活習慣病の予防にも貢献する可能性があるとされています[3]。
とくに40代以降の男性は内臓脂肪の蓄積が増えやすい時期と重なるため、基礎代謝を高めて体脂肪を蓄積しにくい体の状態をつくることが長期的な健康管理において重要な意味を持ちます。
男性の基礎代謝についての医療機関へのご相談
基礎代謝を上げるための取り組みを続けても体重がなかなか落ちない・以前と同じ生活をしているのに急激に太ってきた・慢性的な疲労感が改善されないという方は、医療機関への相談を検討することも選択肢の一つです。
自己流の取り組みでは改善が難しい場合、甲状腺機能の低下・インスリン抵抗性・男性ホルモン(テストステロン)の低下など、医学的な要因が基礎代謝の低下に影響している可能性があります。
医療機関への相談が向いている方
食事管理や筋トレを継続しているにもかかわらず体重や体脂肪率がまったく変化しない方・急に体重が増えて食欲や活動量に大きな変化がない方は、甲状腺機能低下症・副腎皮質ホルモンの異常・男性ホルモンの低下(LOH症候群)など、医学的な背景が影響している可能性があります。
40代以降で「疲れやすい」「体力が落ちた」「体重が急に増えた」という複数の変化を同時に感じている男性は、男性更年期障害(LOH症候群)によるテストステロン低下が基礎代謝や体組成に影響している可能性があり、専門医への相談が有効です。
「自分でできることはすべてやっているつもりだが結果が出ない」という方は、一人で抱え込まず医療機関に相談することが、基礎代謝の改善と健康的な体重管理を実現するための安全な道筋です。
よくある質問
- 男性の基礎代謝の平均はどのくらいですか?
-
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとにした男性の年齢別基礎代謝量の平均値は、18〜29歳で約1,530kcal・30〜49歳で約1,530kcal・50〜64歳で約1,480kcal・65〜74歳で約1,400kcalとされています[1]。
これらはあくまで参照体重をもとにした平均値であり、実際の基礎代謝量は体重・身長・筋肉量によって異なります。
自分の基礎代謝量をより正確に把握したい場合は、「基礎代謝基準値×体重」または「ハリス・ベネディクト式(男性:66.47+13.75×体重+5.00×身長-6.76×年齢)」で計算することが推奨されます。
- 男性の基礎代謝はいつがピークで、何歳から下がり始めますか?
-
男性の基礎代謝は15〜17歳ごろをピークとし、その後は緩やかに低下していくとされています[2]。
18〜29歳と30〜49歳の基礎代謝量の平均値はともに約1,530kcalと同水準ですが、体重1kgあたりの基礎代謝基準値は18〜29歳の23.7kcal/kgから30〜49歳の22.5kcal/kgへと低下しています。50代以降は低下がより顕著になる傾向があり、これは主に加齢による筋肉量の減少が原因とされています。
筋トレや運動習慣によって筋肉量を維持することで、加齢にともなう基礎代謝の低下を緩やかにすることが期待できます。
- 基礎代謝を上げるために男性に効果的な筋トレはありますか?
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基礎代謝を効率よく上げるためには、体の大きな筋肉を鍛える種目を優先することが推奨されています[7]。
とくにスクワット(太もも・お尻・ふくらはぎ)・デッドリフト(背中・腰部・ハムストリング)・プッシュアップ(胸筋・肩・上腕三頭筋)・プランク(体幹全体)の4種目が、器具なしまたは軽器具で自宅でもおこなえる基礎代謝アップに効果的な筋トレとして挙げられます。
週2〜3日・各種目10〜15回・2〜3セットを目安に継続することが推奨されます。筋トレ後は適切な回復期間(48〜72時間)を設け、タンパク質をしっかり摂ることで筋肉の修復・合成を促しやすくなります。
- 基礎代謝が低いと体にどのような影響がありますか?
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基礎代謝が低下すると、消費カロリーが減少するため同じ食事量でも体脂肪が蓄積されやすくなり、太りやすく痩せにくい体質へと変化しやすくなります[2]。
また体内のエネルギー代謝が低下することで体温が下がりやすくなり、慢性的な疲労感・免疫機能の低下・冷えの悪化といった影響があらわれる可能性があります。
長期的に基礎代謝が低い状態が続くと、内臓脂肪の蓄積・血糖値の上昇・血中脂質の異常など、生活習慣病のリスクが高まる可能性があるとされています[3]。基礎代謝の低下に気づいたら、早めに筋トレ・食事改善・生活習慣の見直しに取り組むことが重要です。
まとめ
男性の基礎代謝量の年齢別平均値は、18〜29歳・30〜49歳で約1,530kcal・50〜64歳で約1,480kcal・65〜74歳で約1,400kcalが目安として示されており、15〜17歳をピークとして加齢とともに緩やかに低下していく傾向があります。
自分の基礎代謝量を把握するには、「基礎代謝基準値×体重」というシンプルな方法か、体重・身長・年齢を組み合わせたハリス・ベネディクト式(男性:66.47+13.75×体重+5.00×身長-6.76×年齢)を活用することが推奨されます。
男性の基礎代謝が下がる主な原因は、加齢・運動不足による筋肉量の低下・過度な食事制限・睡眠不足や生活習慣の乱れ・体温の低下の5つであり、これらが重なることで年齢以上のペースで基礎代謝が低下するリスクがあります。
基礎代謝を上げるための最も効果的な方法は筋トレによる筋肉量の増加であり、スクワット・腕立て伏せ・プランク・デッドリフトなど大きな筋肉を鍛える種目を週2〜3日継続することが推奨されます。
「食べていないのに太りやすい」「以前より体力が落ちた」と感じている男性は、基礎代謝の低下が背景にある可能性があり、まず自分の基礎代謝量を計算して把握し、筋トレ・食事・生活習慣の3つを整える取り組みを今日から始めることが、長期的に健康的な体型を維持するための根本的なアプローチです。
参考文献
[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html
[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-001.html
[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-002.html
[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
[6] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
[7] 厚生労働省 e-ヘルスネット「筋力・筋持久力」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html

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